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子どもたちはゲームやインターネットの世界で何をしているんだろう?(関 正樹:大湫病院児童精神科医)#子どもたちのためにこれからできること

「ゲーム・ネット・スマホとどう付き合うか」(吉川 徹 先生)に続く、ゲーム・ネットと子どもたちについての第2弾です。ゲームやインターネットに熱中している子どもに対して、大人はどうしても不安を感じてしまいがちです。その背景には、ゲーム・ネットの世界や、また、子どもたちがその世界をどう楽しんでいるのかを、大人の側が知らないこともあると思います。今回は、児童精神科医の関正樹先生に、ゲームやネットの世界のこと、その世界に没頭する子どもたちと出会ったときに、支援者や保護者に何ができるかを解説いただきます。

1.どうしてインターネットやゲームはネガティブな側面に注目が集まりやすいのだろう?

 インターネットゲーム障害がアメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5に「今後の研究のための病態」の中に行動嗜癖として記載されたことや、ICD-11にもゲーム障害が収載され、インターネットやデジタルゲーム(以下ゲームと省略する)に対する世間の注目は大きくなり、インターネットやゲームのネガティブな側面がメディアなどにセンセーショナルに取り上げられることも多くなってきました。実際に児童精神科の外来でもインターネットやゲームに関する相談は多くなりつつあります。例えば、「子どもが動画を見過ぎてしまうので、制限をかけたいが、取り上げると怒ってしまうのでうまくいかない」「ゲームばかりやっているから勉強が疎かになっている。学力が下がらないか心配」などが挙げられますが、その多くはインターネットやゲームに関するネガティブな側面に焦点があたったものとなっています。

 一方で、その背景には、保護者の方のゲームや動画投稿・共有サイト対する考えがあるものと思われます。例えば、ゲームであれば、「ゲームをすることで勉強をしなくなる」「ゲームをすることは不健康だ」「ゲームさえなければ、もう少し言葉遣いがよくなるかもしれない」、動画などにおいては「素人の作った動画の何がおもしろいかわからない」といった考えです。実際に診療の場面でお子さんのゲームや動画投稿・共有サイトでの活動をもう少し詳しく尋ねてみようと思い、「お子さんは何ていうゲームを楽しんでいますか?」「どんな動画が好きなんですか?」と尋ねてみると、「よくわからないですけど、手が出てきて銃で撃つだけのゲームです」「よく見せてくれるんですけど、なんか苦手なのであまり知りません」と答えていただくことも、しばしばあります。

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 大人はゲームやインターネットの世界は何となく危ないと思っていますが、実はあまりよく知らないことも多いのです。大人は自分の子どもが自分の知らない世界に出会い、楽しむことに対しては、どのようにその世界を歩んでいくかの見通しが持てないため、あまり肯定的になれないことが多いのかもしれません。また、子どもは青年期が近づくにつれて、少しずつ友達関係を発達させ、親との世界よりも友達の世界を重要視するようになり、次第に自身の世界を作りあげていきますが、親にとっては、このプロセスはとても不安なものです。

 けれども、子どものゲーム行動やインターネット上での行動などと適切に付き合っていくためには、大人がゲームやインターネットについてある程度知らなくてはいけません。そうでないと、「ゲームやインターネットは1日1時間」などのただの一方的な制限や禁止になって遠ざけるだけだからです。

 子どものインターネットをめぐる相談でよく話題にあがることは、SNSとの付き合い方や動画投稿 ・共有サイトとの付き合い方などが多いものと思われますが、SNSとの付き合い方については、書籍や論説などがすでに多くの方から出されているため、今日は子どもたちがよく見ている動画投稿・共有サイトやゲームになぜ子どもたちはハマるのかについて少し考えてみようと思います。ただし、この論説については筆者がゲームやインターネットの世界などをとても好んでおり自身もゲームプレイヤーである(ただし、あまり上手ではない)ため、ゲームやインターネットに対して肯定的な偏りがあるということも付け加えておかなければなりません。また、その他の開示すべき利益相反関係はありません。

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2.YouTubeなどの動画投稿・共有サイトはなぜ子どもにとっておもしろいのか?

 YouTubeなどの動画投稿・共有サイトで子どもたちは一体何を見ているのでしょうか?当院で行った自閉スペクトラム症やADHDのお子さんを対象にした調査では、ゲーム実況(66.9%)、アニメ(57.4%)、チャレンジ系動画(37.8%)の順に多く見られていました。ゲーム実況とは、ゲームをプレイしながら実況解説を行ったり、ゲーム中に雑談をしたりするスタイルの動画であり、その音声は肉声のこともあれば、音声合成ソフトを用いたいわゆる「ゆっくり実況」(注1)であることも多いです。これらのYouTubeの面白さは、自分が身近に感じることができる人(芸能人やスポーツ選手でない距離の近い人)とおもしろい日常体験(自分もできそうなことの延長線上にある)の共有ができることにあると言えます。子どもたちにとってゲームは日常であり、これらの動画を見ながら、「自分も(ゲームで)こんなプレイやってみよう」と攻略法を知ったり、チャレンジ系動画で見た「やってみた」ことに自分もチャレンジしたり、その内容を翌日教室で友人と語ったりするのです。

 このようにYouTubeは自分と距離が近い人との日常体験の共有だからこそ、その面白さがあります。素人だからこそ面白さがあるので、「素人の作ったものなんて」という大人からの批判は、そもそも相当に的を外してしまっています。また、「そんなゲーム実況なんて見ずに、学校の配信しているステイホーム用の授業の動画を見ればいいのに」という大人からの声も聞かれますが、いわゆる大人が言う「役に立つ」動画は、一部を除いて子どもにとってそれほどおもしろいものではありません。そういった意味では、子どもたちがYouTubeに求めているコンテンツは、ある年齢層以上の大人が子ども時代にテレビのバラエティ番組に求めていたものと同じなのかもしれません。

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 そしてYouTubeをはじめとする動画投稿・共有サイトは人生の役に立つこともたくさんあります。ゲームが上手であることは子どもの世界の中ではヒーローです。最近の子どもたちは昔に比べてゲームプレイが驚くほど早く上達しますが、これには実況動画で上手なプレイをたくさん見ているせいもあるでしょう。また、チャレンジ系の動画の内容などはクラスでの話題になったり、レクリエーションなどの余暇活動に取り入れられたりします。ただ、子どもの人間関係においては少しシビアなところもあり、その話題を全く知らない他者に対して、その話題について一から説明することを面倒くさがるところがあります。したがって、その話題についての基礎知識もなく会話の輪に入っていくのは、子どもにとってなかなか難しいのです。私の外来に来られるお子さんの中には、ゲームが家族から許可してもらえないが故に、親に隠れてこっそりとYouTubeの実況動画を見て、ゲームの話題についていくという努力をしているお子さんもおられます。そういった意味では、YouTubeなどの動画投稿・共有サイトの流行などを全く知らずに子ども世界を生き抜いていくのは、周囲の大人が思うよりもずっと難しいものなのです。

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3.ゲームはなぜ子どもにとっておもしろいのか?

 先述のように、最近ではゲーム障害が話題となっており、少し子どもがゲームに「ハマる」と「1日に1時間以上やっているけど、ゲーム障害ではありませんか?」と心配する向きもあります。ゲーム障害とは、ゲームのコントロール障害があり、他の日常生活よりゲームが最優先な生活となっており、問題が起こってもゲームを継続する状態がある程度の期間以上続いており、社会機能上の障害がある状態を言い、行動の嗜癖に分類されています。このような状態像の方も少数ながらおられますが、もちろん多くの子どもは健全なゲーマーです。

 そんな健全ゲーマーの子どもたちは、ゲームにある種の面白さを感じて「ハマって」いるわけですが、ゲームは子どもたちにとってどういう点が面白いのでしょうか?渡辺・中村の「なぜ人はゲームにハマるのか」によれば、本人のゲームスキルとゲームの難易度のバランスであるゲームバランス(注2)を難易度とスキル双方が徐々に上がっていくようにデザインすることにより、ゲームに没入した状態が維持できるように作られていると言います。いわゆるゲームのチュートリアルと言われる操作の仕方やルールの説明や教育がゲームを通じて行われることは全くの初心者を中級者に導いていくデザインとなっていると言えます。

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 さて、最近のゲームにおいてはインターネットの発達とともに、オンラインゲームも多くなってきています。オンラインゲームの時代になり大きく変わった点は、ゲームを通じて他者とコミュニケーションできるようになった点にあります。特にMMORPG(注3)と言われるような多人数が同時に参加するタイプのRPGは、仲間のみんなが一つの目標を共有することがゲームの攻略上重要であることから、必然的にいつも一緒に攻略する仲間が生まれやすくなっています。このコミュニティは、「いつも一緒」であることから、協調性が重要視されるため、子どもにとっては、家でも学校でもない第三の居場所となりやすくなります。そして、コミュニティにもよりますが、ゲームそのものを楽しむ人、上位入賞を目指す人、ただおしゃべりしている人など様々な楽しみ方をしている仲間と出会います。このようにMMORPGは居場所としての機能が高い反面、必然的に長時間ログインできる環境を要します。コミュニティとしての協調性を求められるのにも、少し疲れたプレイヤーがよりフランクかつカジュアルに仲間を作り、比較的短時間で遊ぶことができ、レベリング(いわゆるレベル上げ)などの作業はMMORPGほど必要なく自身の腕前や戦略だけで勝ち負けがある程度決まる爽快感が得られるようにデザインされたゲームがFPS(First Person Shooter)(注4)やバトルロイヤル(注5)というゲームジャンルです。チームで勝ち残る形のゲームも多いため、ここでは子どもたちが仲間同士のフランクかつカジュアルな助けあいなどを学ぶようなことも多いと思われます。

 マインクラフトなどのサンドボックス(注6)には、また異なった「ハマる」ポイントがあるでしょう。それはゲームから「何を目指す」という特定の目的が取り払われて、何を誰と一緒に作り出すのも自由であり、そのワールドをどのように冒険するかも自由であるという点です。決められた物語などがないため、挑戦や一から何かを創造することが好きな子どもや友達とコツコツ何かをを作り上げる共同作業が好きな子どもが好む一方で、(自由と引き換えに)説明は少なく、不親切なゲームなので、試行錯誤などが苦手なお子さんは好まないかもしれません。

 もう一つくらい例を挙げてみれば、ステイホーム期間に爆発的に流行した「あつまれ どうぶつの森」(注7)は、コミュニケーションするゲームであり、難易度とスキルが上がっていくタイプのゲームではありませんが、島作りや自分自身が考えたデザインを通じた表現活動ができることとSNS性が結びついて安心感につながっています。この「つながっていられる安心感」は、ステイホーム期間ということもあり、普段ゲームをしない層も惹きつけたものと思われます。そう考えると安心感を好む「あつまれ どうぶつの森」を好んでプレイする人とフランクかつカジュアルな仲間との勝ち負けを通じた爽快感を好んでFPSやバトルロイヤルをプレイする人が重なり合う部分は少ないかもしれませんね。

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4.子どものゲーム好きと大人はどんな風に付き合ったらいいんだろう?

 今まで述べてきたような「ハマる」ポイントに「ハマる」ようにそもそもゲームはデザインされているわけですから、子どもがゲームを好むのはとても自然なことのように思えます。だからこそ、「おしまい」はどの子どもにとっても大変なことですし、ゲームが上手い子であればあるほどそうでしょう。ですから、「おしまい」のためのゲームをめぐる約束事を作っていくうえでは、子どもがどのようなゲームを好み、それを通じて何をしようとしているのかを想像したり、子どもに教えてもらったりすることが大切になってきます。

 そのためには、子どものゲームの世界に興味をもって近づいてみて、可能であれば、大人もやってみるとよいでしょう。自分の世界のことを嫌いな大人には、子どもは自分の世界のことを語りませんし、あまりにも自分の世界を知らない人にも先述のとおり面倒なので語りません。したがって、大人はゲームのよいところも少しは知っておいたほうがよいでしょう。

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 ゲームのよいところはいくつか挙げられます。例えば、ゲームが上手な子は子どもの世界の中で一目置かれますし、それだけで子ども世界を生き抜きやすくなります。そして、ゲームの話題は子どもの共通言語ですから、これだけでも、リアルの世界に居場所ができやすくなります。サンドボックスなどを好むお子さんは、試行錯誤して何かにチャレンジすることを好むようになるかもしれません。何よりも昨今のゲームはMMORPGのように「深く」、「長く」、FPSやバトルロイヤルのように「フランク」かつ「カジュアル」に、マインクラフトのように、友達とコツコツ「共同作業」、「あつまれ どうぶつの森」のように「つながれる安心感」というコミュニケーションの形の違いはありますが、離れていても一緒に遊べます。なかなか、学校の友達やリアルの友達と一緒に気軽に遊ぶことができない世の中ですから、離れていても一緒に遊べるゲームは、子どもが子どもの世界から切り離されないうえでとても大切なものになります。可能であれば、自分のお子さんのプレイしているゲームのよいところをたちどころに三つくらい言えるようになっているとよいでしょう。

 反対に、ゲームの約束事を親が勝手に決めてしまうと、家庭の中で大きな揉め事が起こりやすくなってしまいます。約束事を作っていく上でもっとも大切なことは、子ども自身が自分の約束を「守る力」について考えながら、子どもが主体となって作り上げていくことです。大人は子どもが「守る力」、自身の「守らせる力」のバランスを考えながら、その約束が達成できそうなものかについて一緒に考えるアドバイザーの役割となります。子どもはゲームの「おしまい」がとても苦手ですから、約束事を履行していく上で、守れないときもあると思います。けれども、どうかそんな時に感情的にゲームのコントローラーを隠さないでください。結果として大きな揉め事につながったり、隠れたゲーム行動が増えたりするだけになってしまうことも多いのです。

 よく、子どものゲーム行動を減らすために、「そんなにゲームばかりしていると成績が下がるよ」と言ってしまうこともあります。これは、結果として子どもが勉強嫌いになってしまうことが多いので、あまりよい結果を生みません。また、怒りのあまり、子どもが仲間とチャットしながらゲームに熱中しているところに「正樹いいかげんにしなさい!」と割り込んでしまう方もおられると思います。これは身バレのリスクが高くなるのでやめた方がよいですし、子どもの仲間内での立ち位置が危うくなるリスクもあります。

 また、ゲーム行動を減らすために余暇活動を促すことは、大抵の本などによく書いてありますが、余暇活動は子どもがどんなことを好んでいるかに合わせたものでないとうまくいかないものです。勝ち負けの爽快感を好んでいるお子さんに「一緒に料理をする」ことや「おうちのまわりを静かにウォーキングする」ことを提案してもうまくいかなさそうですよね?それに対して、マインクラフトのサバイバルを好むお子さんは自然の中でキャンプをしていくことは好むかもしれません。そして、何よりもこのような余暇活動は大人も楽しめるものでなければいけません。ただただゲーム行動を減らすためだけに、つまらなさそうに付き合われてもその活動はきっと好きになれません。そういった意味では、大人が子どもに誇れるほど好きな活動があるかという点も余暇活動を促していくうえでは大切なことになると思います。

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5.子どもはどうやって居場所としてのゲームの世界から卒業していくのだろう?

 リアルで傷ついた子どもが学校に行きづらくなり、オンラインゲームの中の居場所と出会うことは児童精神科医であれば誰もが経験することと思います。学校に行きづらくなった当初は、周囲の大人も心配して、何とか学校に行かせたいという思いから、「学校に行かないでそんなことしていていいと思うの?」「傷ついているのは君だけじゃないから勇気を出して」と言ってしまうこともあると思います。子どもにとっての居場所は、多くは学校と家庭ですから、そうなってしまうと、うまくいかないどころか、自分の世界のことを大人に何も語ってくれなくなることと思います。

 そのような子どもが出会うオンラインゲームの中の居場所は家庭でも学校でもない第三の居場所なのです。傷ついた子どもが何とかこのような居場所にたどり着き、そこで、仲良くできる仲間や、少し憧れる同世代でない他者を見つけ、彼らとのコミュニケーションや時には人生の相談を通じて回復し、少しずつリアルの世界にも居場所を見つけていきます。ただし、傷つきから回復した子どもがリアルの世界にも居場所を見つけていくためには、家庭やリアルで出会う大人がオンラインゲームを通じての居場所に寛容でなければなりません。家庭の中にオンライゲームなどに対して寛容な雰囲気があると、子どもは自身のゲームを通じての体験や達成したこと、仲間との冒険やその居場所での自分の立ち位置などについて生き生きと語ってくれます。その語りを通じて、子どもはその居場所で自分が何を享受していたかを理解したり、自分がその居場所に求めているものについて知ったりするようになります。そうやって、家庭に居場所を少しずつ広げた子どもが、リアルの世界の中で家庭でも学校でもない(かつ自分の居場所に対して寛容な)他者と出会い、リアルの世界にも居場所を見つけていくのです(そういった意味では、「学校の先生と放課後短時間でも話すようになる」という文脈での学校の先生や「教室に短時間でも行く」という文脈での教室などは、傷ついた子どもたちにとっては、ある種のRPGのラスボスのような存在です。大人から見れば、スモールステップで一見うまくいきそうに見えますが、冒険の初めに出会って、決してうまくいくものではありません。冒険の開始は安全な故郷の村からのスタートが望ましいです)。

 以上のことから、オンラインゲームに居場所を見つけた子どもたちと出会う時、支援者である大人は「オンラインゲームからの卒業」を目指すよりも、興味をもって近づき、語り合うことを通じて、子どもにとってその居場所が存在する意味を見つめることが大切になってきます。そして、それが意外とオンラインゲームからの卒業への近道だったりするのです。

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 さて、以上のようにゲームに対して肯定的な目線を持っているからといって、私のような児童精神科医が、相談に来てくださった保護者の方のお気持ちを蔑ろにすることはありませんし、「子どもの世界を知りなさい」とお説教のようなアドバイスをすることもありません。子どもが「できそうなこと」と保護者が「できそうなこと」のバランスや子どもが楽しんでいる居場所としての世界の意味を子どもだけでなく保護者と一緒に考えることも児童精神科医の大きな役割の一つです。

注1:ゆっくり実況とは、音声合成用ソフトをゲーム実況の動画である。東方シリーズのキャラクターがデフォルメされたアスキーアートの「ゆっくりしていってね!!!」が元ネタとなっている。

注2:ゲームバランスとは、ゲームを成立させるためのバランスの総称、主なものは難易度とゲームをプレイする上での快適さのバランスである。難易度と快適さのバランスが取れているゲームはゲームバランスが高いと言える。

注3:MMORPGとは、Massively Multiplayer Online Role-Playing Gameの略称で、多人数が同時参加するタイプのオンラインゲームの一種であり、コンピューターRPGをモチーフにしたものである。そのため、ある種の物語性を帯びていることが多い。また、ゲーム内時間が存在しており、ゲーム内の人間関係やコミュニティやある種の経済システムが存在することが大きな特徴である。今回ここで述べているMMORPGは比較的コミュニティが発達しやすい古典的なものを念頭においている。

注4:FPS(First Person Shooter)とはシューティングゲームの一種であり、一人称視点で、その世界や空間を自由に移動できるものである。従って、キャラクターそのものではなく、プレイヤーキャラクターの手と武器のみが表示されていることが多い。冒頭の「よくわからないですけど、手が出てきて銃で撃つだけのゲームです」はこのFPSを指しているものと思われる。

注5:バトルロイヤルはゲームジャンルの一つであり、通常は同時に多くのプレイヤーが参加し、敵を全員倒すことを目指していくゲームである。PUBGやフォートナイトのバトルロイヤルモードが有名である。

注6:サンドボックスとはゲームの1ジャンルであり、舞台となる仮想世界を自由に動き回って探索や攻略ができるようにデザインされたものを言う。マインクラフトはオンラインでの共同作業で、世界を自由に創造するなどの楽しみ方ができるサンドボックスゲームである。

注7:「あつまれ どうぶつの森」は、任天堂より2020年3月20日に発売されたNintendo Switch用のゲームソフト。無人島を舞台にしている動物キャラクターとのコミュニケーションやオンラインを通じての他の島の住人とのコミュニケーションを活用したゲームとなっており、無人島らしくあらたなアイテムを作り出すDIYやマイデザインを通じて服や家具などに利用可能なオリジナルの図柄を作成できる。おすそわけプレイで同じ島に住むプレイヤー同士が同時プレイできるのも大きな特徴である。

執筆者プロフィール

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関 正樹(せき・まさき)
1977年生まれ。児童精神科医。 福井医科大学医学部卒業後、岐阜大学医学部付属病院、土岐市立総合病院 精神科を経て、現在は大湫病院に勤務。 岐阜県東濃地方の地域の児童精神科医として、発達障害や不登校の診療にあたるとともに、 地域における発達障害の啓発活動や療育施設の座談会などに出席し、家族支援を行っている。

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