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メンタルヘルス業界をITで変える-心理検査オンライン β版リリース-(株式会社 金子書房) #心理検査オンライン

心理検査オンライン β版をリリース

 株式会社 金子書房(東京都文京区、代表取締役社長:金子紀子)は、1946年の創業以来、およそ70年間にわたり心理検査を刊行しております。一貫して、「こころの理解と支援のために」という想いで心理検査を世に送り出しています。

 中でも当社は、発達障害やうつ病、性格、気分状態、ストレス対処行動、QOL(生活の質)などが評価できる心理検査商品を多数刊行してまいりました。一部の心理検査は、診療報酬の対象となっております。

 この度、心理検査をオンラインで実施/採点/レポーティングができるプラットフォーム「心理検査オンライン」のβ版をリリースすることになったことをお知らせいたします。

心理検査オンライン ロゴ

 今後は、新商品および、これまで開発してきたプロダクトのオンライン化に注力してまいります。

(詳しくは、紹介動画をご参照ください)

 なお、β版で最初に搭載される検査は、新版TEG 3です。
 オンラインセミナーにご参加いただいたお客様を優先的にご案内差し上げます。

(申し込みは下記から)

メンタルヘルス支援において、欠かせない”心理検査”/日本はオンライン化に大きく遅れをとる

 心理検査(≒心理テスト)は、以下のように使用されています。

「各種の相談機関や病院において、個人の性格や能力の測定、適性の判定およびカウンセリングや心理療法の効果の評定などに使用されている。」

『キーワード カウンセリングと心理アセスメント』(瀧本孝雄, 2014, p146)

 例えば、身体症状がある場合、私たちは通常、血液検査やレントゲンを通じて、「なぜ、このような症状が出ているのか」について、検査結果から仮説を立て、それをもとに治療やその効果の測定をすることがあると思います。

 メンタルヘルスにおいても同様です。心理検査は、信頼性と妥当性を前提に、心理特性、心理状態、能力を把握し、治療の方針を決めるための一つのデータを提供します。
※アメリカ心理学会 F. Eabon, PhD, and Dan Abrahamson, PhDの記事を参考)

心理検査

 これにより医師や心理職は検査から得られた定量データを参考に、現状を把握し、治療方針の検討および効果の測定を行うことができます。

 心理検査は、使用の目的別の括りでみると臨床で使用されることを前提に開発されたクリニカル・アセスメント(clinical assessment) と、能力開発や適性検査に使用されるタレント・アセスメント(talent assessment)の二種類に大別されることがあります。

クリニカル・アセスメント

 日本国内においては、クリニカル・アセスメントのオンライン版は、まだ殆どありません。タレント・アセスメントを中心にオンライン版が開発されてきたのとは、かなり対照的です。

 海外(特に英語圏)では、すでにクリニカル・アセスメントもオンライン化が進んでいます。弊社のビジネスパートナーである、Multi-Health systems inc.や、WPSなども、既にオンラインの検査ソフトを用意しています。

  また、アメリカ心理学会もオンラインで対面せずに心理検査を実施することを前提としたガイドラインをすでに用意しています。

Guidelines for the Practice of Telepsychology

 covid-19の影響を受け、米国の公的な医療保険であるメディケア、メディケイドではすでに遠隔での心理検査を公的保険の対象として承認しました。

 こうした世界の動向があることを考えれば、世界ではすでに「オンラインありき」の議論がされています。日本だけがオンラインのクリニカル・アセスメントがないことで、この議論から立ち遅れている現状があります。

 これは、私たちメーカーの責任でもあります。だからこそ、2020年以降、検査をオンライン化していきたいと強く意思を固めています。

オンライン化が提供する、新しい選択肢

 オンライン化が提供する、新しい選択肢は以下のようなものです。

①時間や場所にとらわれず、検査の実施が可能に。回答者は、いつでもどこでもPCやスマートフォンから回答できます。

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 これまでと同じく、対面での検査はもちろん、自宅や勤務先、病院や学校など、いつでもどこでも受検できるようになります。

 忙しいビジネスパーソンや医療アクセスしにくい地域にお住いのかた、事情があってご自宅から出にくいかたのメンタルケアもしやすくなることが期待されます。

②検査者は、回答者が回答したらすぐに結果を確認できます。

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 手計算と検算、採点の処理にかかっていた時間をゼロにできます。

 このことにより、手計算にかけていた時間を、他のことに充てることができます。

③検査結果をデータで保管できるため, 研究開発、他サービスとの連携を、より容易に。

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 検査結果をローデータとして、出力することができます。
 このことにより、研究開発や、他サービスとの連携を用意にできると考えられます。

 オンライン診療、オンラインカウンセリング、ストレスチェック、HR領域等々、様々なメンタルヘルスサービスが日本でローンチされていますが、これらサービスとの連携がより容易にできるようになります。

 以上のように、オンライン版はこれまでになかった選択肢を拡張してくれると考えられます。

 しかし、アメリカ心理学会のガイドラインにもあるように、検査そのものが遠隔を前提に作られていないケースや、インフォームドコンセントをどうとるかという問題もあります。

 検査を実施する上で、ご使用になる専門家の皆様が、オンライン版であっても用途に応じて、対面で使用するか、遠隔で使用するかご判断いただければと思います。

セキュリティ対策

 弊社では、安心してお客様にご利用いただくため、情報セキュリティ・マネジメント・システム(ISMS ( ISO27001 ))を取得するなど、社内体制を整えてきました。

 また、各省庁の出している医療情報ガイドライン等を参考に機能を実装しており、入念に対策を講じております。(以下の画像を参照ください)

 また、そもそも個人情報を入れずに匿名で検査を実施することも機能としては実装しております。(※その場合は、IDによる情報の紐づけを推奨いたします)

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すべての人に、健康と福祉を

 SDGs(持続可能な開発目標)に、「3. すべての人に、健康と福祉を」という項目が記されております。

 上記で見てきたように、心理検査はオンライン化することで、メンタルヘルス領域に新たな選択肢を提供することができると考えております。

 対面に加え、オンラインを通じ、これまで受けにくかった人が、メンタルケアを受けることができるようになることは、間違いなくこの「すべての人に健康と福祉を」という目標と合致すると考えております。

 本システムが、多くの人に役立ち、社会に貢献できることを、心から願ってやみません。

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