見出し画像

金子総合研究所の今まで ~主催セミナーの振り返り~

皆様からのご支援を賜り、金子総合研究所の設立から早いもので約半年が経とうとしています。この記事では「金子総合研究所の今まで」と題しまして、主催したセミナーを振り返ります。

金子総合研究所の今まで

金子総合研究所(以下、金子総研)の設立から早いもので約半年が経ちました。この半年間の間、金子総研主催のオンラインセミナーを行ってきました。毎回たくさんの方にご参加いただき心から御礼申し上げます。

今回は、どんなセミナーを行ったかを振り返ってみます。振り返りとともに、これからセミナーに参加される方の参考になれば嬉しいです。また、参加された方の感想はTwitter のハッシュタグ「#金子総研」でもご覧になれますので、よかったら検索してみてください。

開催セミナー実績

1.こころと発達の多様性と共生

画像9

金子総研の創立記念セミナーとして、2020年10月18日に「こころと発達の多様性と共生」と題したセミナーを行いました。講師には、コミュニケーション障害学、臨床発達心理学がご専門の東京学芸大学の藤野博先生をお招きしました。

多様性(ダイバーシティ)の尊重という考え方が広がっていますが、こころや発達にもこの考え方を広める事ができるのではないでしょうか。先生のご専門の一つである自閉スペクトラム症(ASD)の観点から多様性や共生、QOLについてご解説いただきました。

参加された方の感想
・講師の藤野先生のお話は、当事者の事例が紹介され、非常に分かりやすかったです。
・ASDを神経多様性と捉え、「こだわり」という特性を脅迫的興味、限局化した興味、特別な興味、選好性という視点から整理されているところがおもしろかったです。また後半ではQOLの観点や類似した仲間と交流するという話も改めて納得しました。

2.発達障害のある女の子・女性のための支援

画像9

2020年11月29日に、「発達障害のある女の子・女性のための支援」というテーマでセミナーを行いました。講師は、山口大学教育学部附属教育実践総合センター教授の木谷秀勝先生です。

Neurodiversity(脳機能の多様性)の視点や自己理解を通して発達障害児者が「自分らしく生きる」という観点が近年重要であると指摘されています。今回は、この観点から「発達障害のある女の子・女性」の理解や支援について、ひいてはすべての発達障害のある子ども・大人が抱える問題についてお話いただきました。

参加された方の感想
・女性での症状の現れ方や成長に伴う気づかれ方や気づかれにくさ、当事者の視点や支援の視点を学ぶことができました。有難うございます。
・女子ならではの特性がわかりやすかった。

3.自閉症スペクトラム症の感覚世界

画像9

2020年12月19日に「自閉症スペクトラム症の感覚世界」と題しまして、国立障害者リハビリテーションセンター研究所の井出正和先生にご講演いただきました。

自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもや大人の感覚処理障害(感覚過敏や感覚鈍麻など)について基礎研究の知見をご紹介いただきました。心理師などの支援者、教員の方々をはじめ、発達障害の感覚世界について学びたい方々におすすめの内容でした。

参加された方の感想
・専門的な話をわかりやすく伝えてくださって、よくわかりました。今後の臨床に生かしていきたいと思います。
・感覚過敏と鈍麻の併存がとても分かりやすかったです

4.HSPブームのいまを問い直す

画像9

2021年1月16日に、近頃話題のHSP(Highly Sensitive Person)について、「HSPブームのいまを問い直す」と題し、東京大学・日本学術振興会PDの飯村周平先生にご講演いただきました。

メディアで取り上げられる事の多いHSPという概念ですが、学術的な定義とは異なる内容も流布しています。今回はHSPの適切な理解を目的とし、学術的な知見を飯村先生にご紹介いただきました。

参加された方の感想
・学術的なHSPの今を知れて大変良かったです。環境も関係するなどネット情報とはかなり乖離があることがわかりました。
・ここ最近よく見聞きするHSPは胡散臭い印象だったため、臨床家として適切な見方につながる研修を受けることができ、大変貴重な機会でした。

5.実践に活かすニューロダイバーシティの視点

画像9

2021年1月30日に、公認心理師・臨床心理士の村中直人先生に「実践に活かすニューロダイバーシティの視点」というタイトルでご講演いただきました。

ニューロダイバーシティ(neurodiversity)とは、「脳多様性」や「神経多様性」などと訳される言葉で、「脳や神経の在り方には、人それぞれに違いがあり、それらは人間の多様性の一つとして尊重されるべきである。」という考え方を指します。村中先生は弊社より「ニューロダイバーシティの教科書 ――多様性尊重社会へのキーワード――」を刊行されました。

セミナーでは、まずニューロダイバーシティの基本的な考え方や発想について紹介いただき、さらに対人支援や教育での実践についても教えていただきました。

参加された方の感想
・とてもわかりやすく、ニューロダイバシティとは何か、その周辺の動向、そして講師のお考えを聞かせてもらえたからです。2時間がとても短く感じ、紹介された著書を早速注文いたしました。ありがとうございました。
・脳神経の多様性と自閉スペクトラム症やその他の少数派の困り感や支援を結びつける視点を得ることができました。資料やお話もわかりやすく楽しく聞くことができました。

6.子どもたちの『居場所』としてのネット・ゲーム

画像9

2021年2月7日には、児童精神科医の関 正樹先生に「子どもたちの『居場所』としてのネット・ゲーム」というタイトルでセミナーを行っていただきました。

近年、インターネットの急速な発展と同時にオンラインゲーム業界は盛り上がりを見せています。物心ついた時から、身近にネットやオンラインゲームがあった子どもたち。大人たちは漠然と危ないものとしてそれらに懐疑的です。しかし、子どもたちにとってオンラインの世界は、どんな世界なのでしょうか。

今回のセミナーでは、インターネットやゲームの世界で子どもたちは何を見て、どんな風に過ごしているのか、関先生にご講演いただきました。

参加された方の感想
・子どもの居場所として、ポジティブにとらえてるところがよかったです。子どもと一緒に聞ける内容でした。
・自身はゲームの肯定的な面に注目していても、周囲に否定的な見方が多く孤立した感があったのでうれしかったです。保護者への伝え方についても大変参考になりました。

7.ADOS-2 日本語版 導入オンラインセミナー(以下は対象者を限定しています)

ADOS-2 日本語版

2020年10月4日に、自閉スペクトラム症(ASD)のアセスメントツール、ADOS-2 の導入セミナーを開催しました。初めてADOS-2 を活用される方を対象に、検査の概要に関する講義とモジュール4を用いた評定実習を行いました。講師は、ADOS-2 日本語版の監修・監訳をされた黒田美保先生と稲田尚子先生にお願いしました。
※ 臨床心理士研修ポイント対象のワークショップです。

8.発達が気になる幼児の親面接(以下は対象者を限定しています)

親面接OW_peatix

2020年11月23日に、書籍「発達が気になる幼児の親面接」の著者である井上雅彦先生、原口英之先生、石坂美和先生を講師にお迎えし、発達支援の現場で心理士が行う親面接をテーマにしたワークショップを開催いたしました。幼児期の発達相談についての基本的な知識、およびアセスメントから具体的な支援方針を立てるための基本的なスキルの習得を目的とし、講義と演習(グループディスカッション)を組み合わせた内容でした。
※ 臨床心理士研修ポイント対象のワークショップです。

おわりに

駆け足ですが、この半年で行ったセミナーを振り返りました。振り返ってみるとかなり多岐にわたる内容でしたね。気になるセミナーはありましたか?

これからも皆様が興味を持っていただけるようなセミナーを企画して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。

次回の記事では、「金子総研のこれから」と題しまして、開催予定のセミナーを紹介していく予定です。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

*****

金子総合研究所(Peatixページ)


 


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!