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【ケース3紹介!】ズバッと解決ファイル4U ~登場人物の気持ちを理解することが難しい子~(阿部利彦:星槎大学大学院教育実践研究科教授)

前回のケースでは「時計の問題で混乱してしまう子」の事例と支援をご紹介しました。今回からまた新たなケースがはじまります!新たなケースは「登場人物の気持ちを理解することが難しい子」です。
本記事は阿部利彦先生によるケースのご紹介です。それでは以下より、本編スタートです!

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 「ズバッと解決ファイル4U」の連載もいよいよ本ケースで最終回となりました。最終回のテーマは国語、それも物語文の読みにつまずきがあるお子さんについてです。

 物語文を先生方がどのように教えているかを確かめるために、現場の先生方の指導案を集め、比較してみると「登場人物の気持ち」や「登場人物の気持ちの変化」を考えさせることが目標になっているものがほとんどだとわかりました。

 私が教育相談員時代に担当していたお子さんたちの中には、この「登場人物の気持ち」を理解することが難しい子が多く含まれていました。あるお子さんは「書いていないことがどうしてわかるのか」「書いた人(筆者)がどこかで答えを説明しているのか」と聞いてきました。行間を読む、どこにも書かれていないことを掘りおこす、ということは彼らにとってとても大変なことなのです。

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 なお、誤解のないように付け加えておきますが、登場人物の気持ちを考えて書くことが苦手でも、本を読むことは好きでその世界を楽しむことができるという子も多くいます。

 本を読むことが好きだった彼らが、国語の授業を苦手だと思うようになり、やがて本嫌いになってしまうこともあります。それは大変悲しいことです。

 実際、国語については、その教え方が難しいともいわれています。では、どのように工夫すれば「登場人物の気持ちを読む力」を子どもたちに身につけさせてあげられるのでしょうか? それについては次回、個別支援について前田智行先生から解説していただきましょう。

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いかがだったでしょうか。今回のケースでも、「個別での支援」と「授業での支援」、それぞれの達人にご登場いただき具体的な支援案をご紹介いただきます!
次回は前田智行先生による個別の支援案が公開になります。11月4日(水)の配信予定です。ぜひお楽しみに!

執筆者プロフィール

阿部利彦(あべ・としひこ)
星槎大学大学院教育実践研究科教授。
専門は特別支援教育、教育のユニバーサルデザイン、発達につまずきのある子の魅力やサポート法について、講演会・教員研修に全国を飛び回る。

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