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【新起動!】ズバッと解決ファイル4U ~はじめに~(阿部利彦:星槎大学大学院教育実践研究科教授)

弊社の人気シリーズである『ズバッと解決ファイル』。現在このシリーズは3タイトルがあり好評を得ています。
そんな人気シリーズに、ついに第4弾が生まれることとなりました!書籍になる前にnoteでその一部を公開します。複数回に分けて掲載となりますので、ぜひ引き続きチェックしてください。
それではさっそく、編著者である阿部利彦先生の「はじめに」をご覧ください!

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はじめに

 ズバッと解決ファイル第1弾からはや11年が経ちます。当時はまさか10年以上も続くシリーズになるとは想像もしておりませんでした。このシリーズのポイントは、子どもたちを多面的にとらえるということです。お子さんのこまっていることを、色々な角度から見守り、支援を考える。また当たり前ですが、支援する側がこまっているお子さんの視点にできる限り近づこうと努力するべきであると考え、まずそこを共有化しています。

 本書は、「この本の中にオレがいる!」とつぶやいてくれたお子さんや、「私の子どもの事例だ」と言って下さった保護者の方をはじめ、様々な方々に支えられてきました。ちなみに、架空の事例なので、そのお子さんのことでもその保護者のお子さんのことでもありませんが、でもそれだけ、実際のこまりごとに近い事例をとりあげてきたのだと考えています。

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 第4弾をつらぬくテーマは学習支援です。子どもたちが授業で苦戦する可能性が高い場面にフォーカスし、どのようなつまずきが背景にあるのか? 個別でできる支援は? そして、通常学級でできる工夫は? ということを検討していきます。

 さて、今回は、noteでの連載となります。以前も「電脳ズバッと解決ファイル」という企画がありましたが、その新起動ともいえるでしょう。そして、さらに原点回帰、一つの事例を二人の達人から検討してもらうというスタイルにいたしました。

 もちろん今までズバッと解決ファイルを読んだことがないという方もいらっしゃると思いますが、この4Uから読んでいただければ大丈夫です。気負わずに、お時間がある時に、気軽にお読みいただければと思います。そして、こんな事例をとりあげてほしい、というご意見などをいただければ幸いです。

 ぜひ、私たちとともに、支援のスピリットとテクニックを学んでください。そして、子どもたちみんなが本来持っている、一人ひとりオリジナルな「輝き」を引き出すべく、子どもたちを応援していきましょう。

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ケース1

 算数のつまずきについては、その分析がなかなか難しいものです。特に高学年になると、どこからつまずいているのかが、分かりにくくなります。ここでついやりがちな指導は、丸暗記です。とにかく、反復練習で、パターンで暗記させようとします。「いざとなったら暗記も支援だ」という考えもよく聞きますが、暗記では応用が利かないでしょう。

 特に、暗記的な指導になりやすいのが、今回とりあげる「単位」についてです。確かに単位の種類を覚えるのは暗記かも知れませんが、それぞれの単位の関連性をおさえないと、結局場当たり的な解答となるでしょう。

 単位とむすびついているのが、数の感覚だと思います。この数の感覚というのは、目に見えないものをとらえるという意味において、子どもたちのつまずきとなります。

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 では、このような苦手さを持ったお子さんに、個別支援と通常の学級での工夫の両輪でどのように支援していけばいいかを、考えていきましょう。

いかがだったでしょうか。阿部先生から本シリーズについて、そしてケースのご紹介がありました。次回ではさっそく、第一の達人として澳塩 渚先生にご登場いただき、どのような支援が考えられるか、個別支援の側面からご紹介いただきます!
次回の配信は9月9日を予定!どうぞお楽しみに!

執筆者プロフィール

阿部利彦(あべ・としひこ)
星槎大学大学院教育実践研究科教授。
専門は特別支援教育、教育のユニバーサルデザイン、発達につまずきのある子の魅力やサポート法について、講演会・教員研修に全国を飛び回る。

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