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【特集】つながれない社会のなかで、”こころ”のつながりを

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covid-19の拡大防止のため身体的な距離を置くことを求められる社会。 つながりが希薄になることで、私たちの日常生活の一変だけでなく、”こころ”への影響が危惧されています。 … もっと読む
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2020年6月の記事一覧

【あとがき】(特集 #つながれない社会のなかでこころのつながりを )と【次回予告】

【あとがき】(特集 #つながれない社会のなかでこころのつながりを )と【次回予告】

 6月7日(日)の公開分をもって、本特集の記事はそのすべてを公開いたしました。合計38名もの先生方にご協力いただき、なんと37本もの記事を公開いたしました。

 とても短い執筆期間にもかかわらず、ご執筆を賜ったご執筆者の皆さまのお名前を再度掲載させていただくとともに、改めて御礼を申し上げます。

***執筆者一覧(敬称略)***
阿部 利彦(星槎大学大学院 教育実践研究科 教授)
井原 裕(精神科

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自分と他者を知るための哲学対話で、"思い込み"から自由になろう
(二村ヒトシ 映像ディレクター) #つながれない社会のなかでこころのつながりを

自分と他者を知るための哲学対話で、"思い込み"から自由になろう (二村ヒトシ 映像ディレクター) #つながれない社会のなかでこころのつながりを

 現代は、人の数だけ恋愛の幸福と不幸があるといっても過言ではないでしょう。

 映像ディレクターの二村ヒトシさんは著書を通じて、恋愛でどう幸せになるかを説いてきました。自分と相手の持つ〈心の穴〉の形を知り、思いこみから自由になり、自分と相手について本質的な理解をすることで、より幸せな恋愛ができるということです。

 本稿で二村さんは、自分の考えや心と向きあうために哲学対話という手法を勧めています。

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他者と共に一人になる ~ #哲学対話 による新しいつながりの経験~ (梶谷真司:東京大学教授)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

他者と共に一人になる ~ #哲学対話 による新しいつながりの経験~ (梶谷真司:東京大学教授)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

 哲学対話を通じ、他の人とともにいろんなことを考えてみたい。本音で語ってみたい。

 きっと、あなたは梶谷先生の論考を読んだ後で思うはずです。

 自分と他者を尊重しながら、自由に考えられる。「みんな違って、みんないい」そんな場の魅力、つながりが哲学対話にはあります。

「人とつながる」とは、どういうことなのか

 「つながり」は大切だと言われる。人と会う。人と話す。一緒に何かをする。私たちは一人

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家族の暴力への援助 ~その歴史から対応へ~(信田さよ子:原宿カウンセリングセンター所長)
#つながれない社会のなかでこころのつながりを

家族の暴力への援助 ~その歴史から対応へ~(信田さよ子:原宿カウンセリングセンター所長) #つながれない社会のなかでこころのつながりを

多くの国で外出しないで家にいることが一番の方策と考えられた今回、世界的な問題として浮上してきたのが、家庭内におけるDV(ドメスティックス・バイオレンス)でした。日本でその問題に早くから携わってきた信田さよ子先生に、世界での問題化に関連しての日本の対応、そして、これからの生活において忘れてはならない視点について語っていただきました。

はじめに コロナ禍は測り知れない影響を世界中に与えるだろうが、そ

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ポスト・コロナ後の思考力 ~哲学対話の可能性~(小宮山利恵子:スタディサプリ教育AI研究所 所長/東京学芸大学大学院 准教授)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

ポスト・コロナ後の思考力 ~哲学対話の可能性~(小宮山利恵子:スタディサプリ教育AI研究所 所長/東京学芸大学大学院 准教授)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

テクノロジーが教育を変える。すでに一部の学校では変化を見せていることをご存知だろうか。その影響力にますます注目を浴びる教育とAI。専門家である小宮山先生にご寄稿いただいた。
このコロナ禍でなぜ心理学を学び、なぜ哲学対話に参加したのか――。そして「AIと心理学は対極ではない」とするその理由とは。
「教育・AI・心」について、あなたも一緒にお考えいただきたい。

GIGAスクール構想で一人一台PCが今

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時には深いため息を(安田 登:能楽師(ワキ方 下掛宝生流)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

時には深いため息を(安田 登:能楽師(ワキ方 下掛宝生流)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

外に出ないことが心身に与える影響の大きさに、初めて気がついた人も多かったのではないでしょうか。日本の心を演じ、伝え続けてきた能楽師の安田登先生に、日本人の心と体の関連についての特徴と、これからの暮らしの中で役立つ実践についてお考えいただきました。

深呼吸のすすめ 2か月ほど続いた自粛生活もようやく終わりに近づいています。この2か月間、家で静かにしていたという人もいたでしょうし、ふつうに通勤・通学

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精神科へのかかりかた ー#不登校 、#発達障害 疑い、#身体症状 …子どものことが気になる親へ (尾形広行 臨床心理士/井原裕 精神科医)

精神科へのかかりかた ー#不登校 、#発達障害 疑い、#身体症状 …子どものことが気になる親へ (尾形広行 臨床心理士/井原裕 精神科医)

問診票から考えること わたしたちの外来にはどんな子どもたちがやってくるのでしょうか?わたしたちのように医療機関で子どもの治療を引き受ける立場からすれば、子どもとの最初の出会いは、問診票から始まります。

 当科の初診は予約制になっていて、当日の受付後に問診票を書くことになっています。まずはこの問診票からわたしたちが何を知り、どのように治療につなげるのかをお伝えしたいと思います。医療機関によってさま

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メンタル散歩のすすめ(仲 真紀子:立命館大学総合心理学部教授)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

メンタル散歩のすすめ(仲 真紀子:立命館大学総合心理学部教授)#つながれない社会のなかでこころのつながりを

 ひとに備わっている記憶や想像という力は,思いがけず立たされた苦境やいまいる狭い場所から果てしない広がりへと連れ出してくれます。発達心理学者の仲真紀子先生がご紹介くださるメンタル散歩は,だれにでもある心の仕組みを,ユーモアをもって存分にはたらかせるものです。
 おとなも子どもも,ぜひ挑戦してみてください!

記憶のなかの街を歩く 忙しくてなにも手につかないとき,気持ちが滅入ったとき,病気で動けない

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