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第1回 心理学における再現性危機(高知工科大学 経済・マネジメント学群 教授:三船恒裕)連載:#再現性危機の社会心理学
心理学における再現性問題 2011年、「光より速い物質が発見された」というニュースが全世界を駆け巡った$${^{1}}$$。同じく2011年、「人間は予知能力を持つ」とも思えるような実験結果も発表された (Bem, 2011)。どちらも科学の「常識」を覆し、既存の理論を根底から見直す必要に迫られるような大きな「発見」である。しかしこれらのニュースは、少なくとも発表直後に関しては、おおよそ異なる運命を辿ることになった。物理学を騒がせた前者のニュースはその後の検証結果を受け、測定
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記事をすべて見る すべて見る子どもを育てることばかけ(国際医療福祉大学成田保健医療学部言語聴覚学科准教授:岩﨑淳也) リレー連載:子どものことばとコミュニケーションを支援する
「ことばかけ」と言葉の発達 どんなに知能が高くても「お母さん、こんにちは!」と話をしながら生まれてくる赤ちゃんはいません。子どもが「ママ」「パパ」などの言葉を話せるようになるには、個人差はありますが、1年くらいの時間が必要です。 言葉が育つには、大人の愛情や、認知機能の発達、コミュニケーション能力の発達など様々な要因がありますが、ここで私が取り上げたいのは、大人からの「ことばかけ」です。言葉を育てるのに、ことばかけが重要なのは言うまでもありません。親ならば誰でも、自分の子
連載:作文で変わる不登校の子どもたち~書くことで自己と対話する【第1回】学びとケアの中間としての作文(教育支援センター(適応指導教室)教育相談員・スクールカウンセラー:林千恵子)
はじめに 先日、2022年度の小中学校における不登校者数が文部科学省より発表されました。29万9.048人。前年度から5万4.108人増加し、過去最多を更新しています。その中で、38.2%が学校内外で相談・指導を受けていないとされています。 増加数の多さに驚くとともに、一人一人の子どもたちがどのような思いで過ごし、不登校という経験をどのように自分の中で消化し、自分なりの解決をしていくのか。それぞれの子どもの思いや状況に思いを馳せました。 一人一人の解決を考えることなし
子どもの「生きていく力になる」コミュニケーションの成立を目指して(WAKUWAKUすたじお 代表:原哲也) リレー連載:子どものコミュニケーションとことばを支援する
言語聴覚士という仕事 言語聴覚士は、コミュニケーションとことばへの応援をする仕事ですが、さて具体的に何をするのかはよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。 今回、発信の機会をいただいたので、事例を踏まえて、子どもを対象とする言語聴覚士の仕事について私なりの考え方を少し詳しくお伝えしようと思います。 ゲンちゃんのこと 言語聴覚士は何をするのかという話をするにあたって、ある男の子の例を取り上げようと思います。男の子の名前を、仮にゲンちゃんとしましょう。 もう