「こころ」のための専門メディア 金子書房

「こころの健康」のための情報発信や、心理検査を開発・販売しています。 そのほか、中の人…

「こころ」のための専門メディア 金子書房

「こころの健康」のための情報発信や、心理検査を開発・販売しています。 そのほか、中の人が色々書いたりします😊

マガジン

  • 金子書房 心理検査室

    こんにちは! 金子書房心理検査室です。みなさまは、心理検査についてどのようなイメージをお持ちですか? このマガジンでは、みなさまに心理検査を知っていただくために、基礎から活用例、最前線の視点まで、さまざまなトピックを発信してまいります。ぜひご覧ください!

  • 心理統計を探検する

    心理統計をめぐる新たな展開を紹介する。基本となりつつあるやや高度な分析手法・モデルのおさらい,議論を引き起こしてきたテーマの解説,慣習となっている実践の批判,哲学的観点からの心理測定の再考を取り扱う。

  • 短期連載「多方向への肩入れ」の心理学~家族の苦しみと回復

    家族をはじめとする集団には、さまざまな立場の人がいます。力のある立場の人だけでなく、弱い立場にある人の声を公平に聞くためにはどうすればよいのでしょうか? 家族療法の考え方にヒントがあるかもしれません。 10月から月1回駒澤大学心理学科教授の藤田博康先生に「『多方向の肩入れ』の心理学~家族の苦しみと回復」と題して連載いただきます。

  • 再現性危機の社会心理学

    今日の心理学は、過去の研究知見が再現されないという問題(再現性の危機)に直面しています。人間の行動を説明・予測する普遍的な命題を定立することを目的とする心理学が積み上げてきた研究成果は、砂上の楼閣に過ぎないのでしょうか。こうした問題に応えようと、心理学者たちは、過去の知見の再現可能性を確認する研究に取り組んでいます。本連載では、再現可能性をめぐる社会心理学の最新の知見を、三船恒裕先生にご解説いただきます。

  • リレー連載:子どものことばとコミュニケーションを支援する

    子ども支援の領域で活動している言語聴覚士(ST)の方々に登場いただき、その実践の数々について紹介をしてもらう「子どものことばとコミュニケーションを支援する」というリレー連載です。

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【総合案内】金子書房noteのガイド

金子書房公式noteへようこそ。 訪れてくださり、ありがとうございます。 このガイドでは、私たちのnoteをご案内します。 これらを知っていただくことができます。簡潔なご案内ですが、ぜひご参考になさってください。 noteを通じて、読者の皆さまへ有益な情報をお届けし、皆さまと交流ができ、そして願わくば私たち金子書房のことも知っていただけたら嬉しいです。 はじめに▼ 私たち金子書房の自己紹介です。どんな会社でなにをしているのか、そしてなにを大切にしているのかをまとめてい

    • 発達検査のいまとこれから(平安女学院大学子ども教育学部教授:清水里美)#金子書房心理検査室

      発達検査とは 人はこの世に生まれてから死ぬまでの生涯にわたって、身体的・精神的・社会的機能が変化し続けます。できなかったことができるようになる、できていたことができなくなっていく……これらの変化はすべて人の「発達」過程で認められます。「▢歳になれば(この暦年齢のことを「生活年齢」と呼びます)、△ができるようになる」といったことにあてはめて、「▲ができるようになったから、歳頃の発達に達している(「■歳頃の発達」は、生活年齢と区別して「発達年齢」と呼びます)」と認められることが発

      • 多方向への肩入れ(駒澤大学心理学科教授:藤田博康) 連載:「多方向への肩入れ」の心理学〜家族の苦しみと回復 第3回

         本来、家族は私たちが幸せに生きていくためのシステムのはずなのに、その家族が、逆に私たちを苦しめ、不幸に追いやってしまう。ならば、それをどうしたら和らげ、家族の癒しの機能を回復させることができるのでしょうか。 多方向への肩入れ 「見えざる忠誠心」にしても、「破壊的権威付与」にしても、もし、「対話」を通じてその「からくり」が明るみに出され、もし、それぞれが抱える「赤字」や「不公平」が家族で共有され、認め合い、分かち合うことができたなら、「赤字」のもつ破壊的な力が相当に弱められ

        • 第1回 心理学における再現性危機(高知工科大学 経済・マネジメント学群 教授:三船恒裕)連載:#再現性危機の社会心理学

          心理学における再現性問題 2011年、「光より速い物質が発見された」というニュースが全世界を駆け巡った$${^{1}}$$。同じく2011年、「人間は予知能力を持つ」とも思えるような実験結果も発表された (Bem, 2011)。どちらも科学の「常識」を覆し、既存の理論を根底から見直す必要に迫られるような大きな「発見」である。しかしこれらのニュースは、少なくとも発表直後に関しては、おおよそ異なる運命を辿ることになった。物理学を騒がせた前者のニュースはその後の検証結果を受け、測定

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        • リレー連載:子どものことばとコミュニケーションを支援する
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        • 【連載】流離人(さすらいびと)のノート
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          子どもを育てることばかけ(国際医療福祉大学成田保健医療学部言語聴覚学科准教授:岩﨑淳也) リレー連載:子どものことばとコミュニケーションを支援する

          「ことばかけ」と言葉の発達 どんなに知能が高くても「お母さん、こんにちは!」と話をしながら生まれてくる赤ちゃんはいません。子どもが「ママ」「パパ」などの言葉を話せるようになるには、個人差はありますが、1年くらいの時間が必要です。  言葉が育つには、大人の愛情や、認知機能の発達、コミュニケーション能力の発達など様々な要因がありますが、ここで私が取り上げたいのは、大人からの「ことばかけ」です。言葉を育てるのに、ことばかけが重要なのは言うまでもありません。親ならば誰でも、自分の子

          子どもを育てることばかけ(国際医療福祉大学成田保健医療学部言語聴覚学科准教授:岩﨑淳也) リレー連載:子どものことばとコミュニケーションを支援する

          死を待つ人々の家(前編)(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第4回

           カルカッタという街の名が、コルカタに変わる前の年の、ある夏の朝。  サルベーション・アーミーが運営する安宿の前でYさんと落ち合って、サダル・ストリートから東へと歩いていく。透き通るような朝の日射し。鳥たちの鳴き声がかまびすしい。道路脇にずらりと並ぶ黄色いタクシーの車体を、運転手たちが悠々と洗っている。 「あ、あそこが、マザー・ハウス!」  二十分ほど歩いたところで、Yさんが、行手に現れた建物を指さした。入口にある看板は小さくて、以前ここに来た経験のある彼女に案内されていなか

          死を待つ人々の家(前編)(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第4回

          他者のサポートと自分の安定を両立するために(子育てカウンセリング・リソースポート代表:半田一郎) #こころのSOS

           身近な人からのSOSあったときに、その人をサポートすることは、自分自身にとって様々な負担が生じます。サポートのためには、時間も必要です。交通費がかかることも多いと思います。また、ちょっとした買い物や食事の費用も必要になるかもしれません。そういった現実的な負担だけではなく、心理的な負担も大きいものです。誰かをサポートするということは、自分のペースではなく、相手のペースに合わせることが必要です。それだけでも意外とストレスになって、度重なれば大きな心理的な負担となります。知らず知

          他者のサポートと自分の安定を両立するために(子育てカウンセリング・リソースポート代表:半田一郎) #こころのSOS

          心のSOS:アタッチメント理論から紐解く(日本女子大学カウンセリングセンター専任研究員:北島歩美) #こころのSOS

          心のSOSのサイン 私たちは、身体からのSOSについては、「発熱」「痛み」などを通して、比較的楽にキャッチできます。それでは、心の不調についてはどうでしょうか?  心の調子が悪い時、私たちには「怒り」「悲しみ」「不安」「恐怖」「絶望」など、様々な不愉快な感情が生じます。しかし、これらの感情を捉えるのは意外と難しいものです。例えば、そんな不愉快な感情は感じたくないと蓋をしてスルーしてしまうこともあるかもしれません。また、感情が、その原因とはまったく異なる場所に出てしまうことも

          心のSOS:アタッチメント理論から紐解く(日本女子大学カウンセリングセンター専任研究員:北島歩美) #こころのSOS

          連載:作文で変わる不登校の子どもたち~書くことで自己と対話する【第1回】学びとケアの中間としての作文(教育支援センター(適応指導教室)教育相談員・スクールカウンセラー:林千恵子) 

          はじめに 先日、2022年度の小中学校における不登校者数が文部科学省より発表されました。29万9.048人。前年度から5万4.108人増加し、過去最多を更新しています。その中で、38.2%が学校内外で相談・指導を受けていないとされています。  増加数の多さに驚くとともに、一人一人の子どもたちがどのような思いで過ごし、不登校という経験をどのように自分の中で消化し、自分なりの解決をしていくのか。それぞれの子どもの思いや状況に思いを馳せました。  一人一人の解決を考えることなし

          連載:作文で変わる不登校の子どもたち~書くことで自己と対話する【第1回】学びとケアの中間としての作文(教育支援センター(適応指導教室)教育相談員・スクールカウンセラー:林千恵子) 

          主体性とはイデオロギーではないだろうか(東京農業大学教職・学術情報課程准教授:鈴木聡志) #誘惑する心理学

          文部科学省の平成29・30年告示小・中・高等学校『学習指導要領』に「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」の語が載った。このため現在わが国の初等・中等教育では児童生徒が「主体的・対話的で深い学び」ができるよう教員達は努めている。少なくともそうすることが望ましいとされている。しかし主体的な学びは最近になって突然提唱されたのでない。70年前から試みられている。過去にあった「主体的学習」については後述するが,ここで考えたいことは主体的であるとはどのようなことかということで

          主体性とはイデオロギーではないだろうか(東京農業大学教職・学術情報課程准教授:鈴木聡志) #誘惑する心理学

          ひきこもりきる生き方に伴走する支援(宮崎大学教育学部教授:境泉洋) #こころのSOS

          1.ひきこもり今昔 ひきこもりは2000年ごろから注目されるようになった状態像です。その当時のひきこもり本人は、20代から30代前半の若者が中心で、今でいう就職氷河期世代でした。本来、就職活動をしなければいけない若者が、働く意欲を見せないまま家庭で過ごすことは、世間一般からみると甘えているというとらえ方がなされていました。そして、ひきこもり本人と暮らす家族、特に親にとっては将来への不安、焦り、思うように動いてくれない本人への不満、失望といった様々な否定的感情をひきおこす事態で

          ひきこもりきる生き方に伴走する支援(宮崎大学教育学部教授:境泉洋) #こころのSOS

          深層学習と新しい心理学(明治学院大学 研究員:池田功毅、九州大学准教授:山田祐樹、慶応義塾大学教授:平石界)

          科学的な心理学の目標は、心を科学的に理解・予測し、その成果を社会に役立てていくことだと言われます (e.g. 鹿取 et al., 2020)[1]。しかしこの記事の著者である私たちは、当の心理学者であるにもかかわらず、ここのところ再現可能性危機やらエビデンスレベルやらと、心理学の科学性やその社会的役割について疑問を呈し、不安を感じさせるような議論ばかり行ってきました (池田 & 平石, 2016; 平石, 2022; 平石 & 中村, 2022; 山田, 2021, 202

          深層学習と新しい心理学(明治学院大学 研究員:池田功毅、九州大学准教授:山田祐樹、慶応義塾大学教授:平石界)

          忠誠心(駒澤大学心理学科教授:藤田博康) 連載:「多方向への肩入れ」の心理学〜家族の苦しみと回復 第2回

           家族においては、一人ひとりが家族のことを大切に想い、家族のことを考えて、家族を裏切らないように行動すべきという暗黙の前提や期待が思いのほか大きな力を持っています。それはあたかも不文法のごとく、誰ひとりとしてその影響力から完全に自由にはなれません。  私たちは、自然とそのような「家族」からの要請や期待を内面化して、それに沿うような態度を持ち続けようとします。それは、家族を結びつける大切な心理的な絆であり、私たちの安心や癒しの拠りどころもあります。しかし、その一方で、あたかも強

          忠誠心(駒澤大学心理学科教授:藤田博康) 連載:「多方向への肩入れ」の心理学〜家族の苦しみと回復 第2回

          妊娠、出産、産後のこころのSOS(臨床心理士・公認心理師:蔵あすか) #こころのSOS

           妊娠、出産、産後における母親の身体的精神的な不調は、よく知られるようになってきたのではないだろうか。産後うつについてはホルモンの急激な変化によるものが大きいという認識が広がっているように感じるし、心身の辛い母親が早期に相談や治療につながるように産後うつのスクリーニングは定期的に行われ、地域の助産師や保健師が対応している。2021年4月には改正母子保健法が施行され、自治体が「産後ケア事業」に力を入れるようになったり、まだ首都圏中心ではあるものの産後ケアホテルがいくつかできたり

          妊娠、出産、産後のこころのSOS(臨床心理士・公認心理師:蔵あすか) #こころのSOS

          子どもの「生きていく力になる」コミュニケーションの成立を目指して(WAKUWAKUすたじお 代表:原哲也) リレー連載:子どものコミュニケーションとことばを支援する

          言語聴覚士という仕事 言語聴覚士は、コミュニケーションとことばへの応援をする仕事ですが、さて具体的に何をするのかはよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。  今回、発信の機会をいただいたので、事例を踏まえて、子どもを対象とする言語聴覚士の仕事について私なりの考え方を少し詳しくお伝えしようと思います。 ゲンちゃんのこと  言語聴覚士は何をするのかという話をするにあたって、ある男の子の例を取り上げようと思います。男の子の名前を、仮にゲンちゃんとしましょう。  もう

          子どもの「生きていく力になる」コミュニケーションの成立を目指して(WAKUWAKUすたじお 代表:原哲也) リレー連載:子どものコミュニケーションとことばを支援する

          あの日のエスプレッソ(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第3回

           ハンガリーの首都ブダペストの郊外にある、ハンガロリンク・サーキット。オートバイのロードレース世界選手権の予選は、125ccクラス、250ccクラス、500ccクラスが終了し、残るはサイドカークラスのみとなっていた。  緑豊かな丘陵に囲まれた中に造られたこのサーキットは、ストレートが短くてコーナーの数が多い、テクニカルなコースとして知られている。僕たちは、最終コーナーの手前にある丘で、草の上に脚を投げ出して座っていた。さっき売店で買って飲んだビールの余韻が、まだ少し身体の中に

          あの日のエスプレッソ(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第3回