「こころ」のための専門メディア 金子書房

「こころの健康」のための情報発信や、心理検査を開発・販売しています。 そのほか、中の人…

「こころ」のための専門メディア 金子書房

「こころの健康」のための情報発信や、心理検査を開発・販売しています。 そのほか、中の人が色々書いたりします😊

マガジン

  • 短期連載:教育は能力主義の呪縛から抜け出せるのか?

    個人の特性を生かした組織開発に取り組む中で、「能力主義」に対する疑問を呈してきた勅使川原真衣さん。その近著である『働くということ「能力主義」を超えて』を手にした教育方法学者の渡辺貴裕さんは、その訴えに大きな共感を示しながらも、学校教育での「能力主義」解体の難しさを指摘しています。「子どもたちの将来のために」という善意によって、「能力主義」がより強固に作用してしまう学校の現場で、「能力主義」をほぐすにはどうすればいいのでしょうか。

  • ほどよい家族支援を目指して―児童精神科訪問看護の舞台裏から

    時代の変化と共に、こころ(メンタルヘルス)の問題も家族の問題も、見え方や取り扱われ方が大きく変化しつつあります。本連載では、児童精神科医、そして児童精神訪問看護ステーションを運営する立場である著者が、令和の時代の「子どものこころ」と「家族のこころ」について語っていきます。

  • 働く人のメンタルヘルス

    ワークライフバランスということがよく言われるようになってきました。働くことでやりがいや収入に満足を覚え、人生を楽しむことができていれば幸せでしょう。しかし、いろんな所でバランスが取れないために、問題が生じることがあります。コンプライアンスが問われる世の中になってきても、パワーハラスメントなどが横行している報道などを目にします。格差社会も広がりつつあります。働く人が満足のいく人生を生きるために、どのようなことができるのか考えていきます。

  • 金子書房 心理検査室

    こんにちは! 金子書房心理検査室です。みなさまは、心理検査についてどのようなイメージをお持ちですか? このマガジンでは、みなさまに心理検査を知っていただくために、基礎から活用例、最前線の視点まで、さまざまなトピックを発信してまいります。ぜひご覧ください!

  • 短期連載 ASDのある女性がオランダから日本に移り住んだワケ

    ビアンカ・トープスさんは、オランダ出身のASDの診断を持つ女性です。彼女は、作家、ウェブ開発者、写真家として活動しながら2年半前より日本で暮らしています。なぜ彼女は日本に来たのか、なぜ日本での生活を居心地良く感じているのかなど、ご自身の生い立ちや体験も交えつつ、3回にわたり書いていただきます。 ※日本語の記事の後に、英語の記事を掲載しています。(The English article is provided after the Japanese article.)

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【総合案内】金子書房noteのガイド

金子書房公式noteへようこそ。 訪れてくださり、ありがとうございます。 このガイドでは、私たちのnoteをご案内します。 これらを知っていただくことができます。簡潔なご案内ですが、ぜひご参考になさってください。 noteを通じて、読者の皆さまへ有益な情報をお届けし、皆さまと交流ができ、そして願わくば私たち金子書房のことも知っていただけたら嬉しいです。 はじめに▼ 私たち金子書房の自己紹介です。どんな会社でなにをしているのか、そしてなにを大切にしているのかをまとめてい

    • 短期連載:教育は能力主義の呪縛から抜け出せるのか?【第1回】能力主義の問題点は学校教育にも通じることなのか(組織開発コンサルタント:勅使川原真衣×東京学芸大学教職大学院准教授:渡辺貴裕)

      「能力主義」の問題点は3つある――渡辺貴裕さんは、勅使川原真衣さんのご著書『働くということ「能力主義」を超えて』の発売日(2024年6月17日)の翌日に、ご自身のnoteで「能力」がないとやっていけない世の中でいいの!? 〜勅使川原真衣『働くということ』と題して感想を公開されました。その記事がきっかけとなりお二人の対談が実現したのですが、対面でお会いするのは今日が初めてですか。 渡辺 初めてです。ご著書やインターネット上の記事などで切れ味の鋭いイメージをもっていたので、温和

      • 【連載】ほどよい家族支援を目指して―児童精神科訪問看護の舞台裏から(児童精神科医:岡琢哉) 第1回:病院の外来から在宅へ―児童精神科医として直面したニーズと対応のギャップ

        コロナ禍を通じた変化 私たちは今、時代の転機の中を生きています。新型コロナウイルス感染の流行に伴い、社会全体で大きな変化が生じました。人の往来が制限され、家族でさえも一時的に隔離され、直接会うことができない状況が続きました。コロナに関する話題が落ち着いた今も、以前は当たり前だったことが当たり前でなくなり、むしろ「『当たり前がそうでなくなること』が当たり前になる」という、複雑な変化が私たちの日常に押し寄せています。  このような変化に最も敏感に反応するのは、子どもたちです。彼

        • 自己を危険にさらす働き方への警鐘と対策(ハーゲン大学 労働・組織心理学科学科長:Jan Dettmers) #働く人のメンタルヘルス #金子書房心理検査室

          自己を危険にさらす働き方 労働者に対する詳細な指示や厳しい監督を伴うテイラー主義的な管理(コマンド・アンド・コントロール, Drucker, P. F. 1988)から脱却し、その自律性と自己責任を重視する柔軟な労働組織形態(アジリティ、ニューワーク、ホラクラシー、目標による管理など)は、自らを現代の雇用者とみなす企業でますます一般的になっています。例えば、Googleのような企業は、目標と主要業績(OKRs, Doerr 2018)を口にします。このような結果重視の管理形態

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        • 短期連載:教育は能力主義の呪縛から抜け出せるのか?
          1本
        • ほどよい家族支援を目指して―児童精神科訪問看護の舞台裏から
          1本
        • 働く人のメンタルヘルス
          3本
        • 金子書房 心理検査室
          12本
        • 短期連載 ASDのある女性がオランダから日本に移り住んだワケ
          1本
        • 倫理に基づく研究の可能性を探る
          1本

        記事

          つながりで支える自殺予防(カウンセリングオフィスつながり 臨床心理士・公認心理師:藤原俊通) #働く人のメンタルヘルス

          1 働く人のメンタルヘルスの問題  筆者は長年組織のメンタルヘルスに関わる仕事をしてきて、その難しさを痛感してきた。なぜメンタルヘルス、とりわけ働く人のメンタルヘルスは難しいのだろうか。  そのように感じたのは防衛省、陸上自衛隊のメンタルヘルスを創成期から担当する過程で結構な苦労を味わってきたからだ。自衛隊のような強さを求める組織では、「辛い時には休んでも良い、弱音を吐いたって良い」という言葉は、受け入れられないどころか反発を招くことが多い。  実際筆者もメンタルヘルス教

          つながりで支える自殺予防(カウンセリングオフィスつながり 臨床心理士・公認心理師:藤原俊通) #働く人のメンタルヘルス

          【第1回】子ども時代と初めて日本に来たきっかけについて(作家・ウェブ開発者・写真家:ビアンカ・トープス) 短期連載:ASDのある女性がオランダから日本に移り住んだワケ

          こんにちは、みなさん。私はビアンカ・トープスです。私は自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder;ASD)です。オランダで生まれ育ちましたが、約2年半前に日本に移住しました。日本の方が私には合っているのです。このnoteの連載では、どうしてそう考えるようになったのかを説明したいと思いますが、まず、最初から始めましょう。 40年前、私は若い両親の最初の子どもとして生まれました。私が他の子どもと違うことに、最初の数年は両親もあまり気がつきませんでしたが

          【第1回】子ども時代と初めて日本に来たきっかけについて(作家・ウェブ開発者・写真家:ビアンカ・トープス) 短期連載:ASDのある女性がオランダから日本に移り住んだワケ

          働く人のメンタルヘルスが損なわれた時(独法・労働者健康安全機構横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長/心療内科医:山本晴義) #働く人のメンタルヘルス

          はじめに 「私は健康だ」と自信を持って言える方が、いったいどのくらいいらっしゃるでしょうか。そして、何をもって本当の健康と言えるのでしょうか。活き活きと毎日を過ごすためには、心身の健康、生活面の健康、社会的健康の3つの健康が必要だとされています(図1)。 心身の健康  病気やケガをしていなければ、検査をして異常がなければ、それでいいということではありません。身体だけが健康でも、心が健康でなければ、健康とは言えないのです。「心身相関」という言葉があるように、心と身体はつなが

          働く人のメンタルヘルスが損なわれた時(独法・労働者健康安全機構横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長/心療内科医:山本晴義) #働く人のメンタルヘルス

          倫理に基づく研究を求めて(信州大学教育学部講師:楠見友輔) #倫理に基づく研究の可能性を探る 第1回

          私の研究の動機本連載の目的は、「倫理に基づく研究」の可能性を探究することにあります。研究という実践が、社会における差別や不平等の克服にどのように機能し得るのかを考えることを目指します。 私はこれまで、知的障害教育を中心に研究を行ってきました。一般的に、知的障害教育とは、知的障害があるとされる子どもを通常教育の対象から切り離し、その特性に応じた特別な教育を提供することを指します。しかし、私の知的障害教育に対する考え方は、それとは異なっています。私にとって、「知的障害」という

          倫理に基づく研究を求めて(信州大学教育学部講師:楠見友輔) #倫理に基づく研究の可能性を探る 第1回

          連載「わだかまり」と「とらわれ」――過去を振り払う(精神科医:春日武彦) 第10回:自虐について

          同情ポルノ 世間的には、自虐という振る舞いはみっともないものと考えられているようです。確かに自虐的な言動は痛々しい。潔くない。身悶えしたくなるような恥ずかしい失敗や失態に対して自虐でもせずにはいられない心情は察することが可能なものの、ならば勝手に自分で悩んでいればいいじゃないか。周囲にアピールするところにどこか卑しさや鬱陶しさが漂ってくる。  早い話が、どこか承認欲求に似たものが窺える。同情を求め、共感を強要しているようなところがある。周囲としても共感を覚える部分は確かにあ

          連載「わだかまり」と「とらわれ」――過去を振り払う(精神科医:春日武彦) 第10回:自虐について

          名もなき塑像(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第14回

           「旅先で良い写真を撮りたい時のコツについて、コラムを書いてほしい」という依頼を受けたことがある。ほかの人にえらそうなことを言えるほど、写真に自信はないんだけどな……と思いながらも、旅でよくありがちな撮影の場面をいくつか挙げて、それらへの対処の仕方について、短い文章を書いた。  たとえば、感動的な風景に出会った時。多くの人は興奮して、横位置に構えたカメラで、がーっと勢いよく連写してしまいがちだ。その結果、あとに残るのは、同じような写真ばかりになってしまう。カメラを横位置だけで

          名もなき塑像(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第14回

          臨床現場におけるパワーをめぐる倫理(白峰クリニック:河西有奈) #心理学と倫理

           これはアルコール依存症の自助グループであるAAのハンドブックに書いてある「平安の祈り」という小さな一節である。筆者が所属する白峰クリニックは、アルコール依存症の専門外来があり、アルコール依存症治療プログラムにおいて、AAともつながりをもって依存症者の回復支援にあたっている。勤め始めてまもない頃に、この「平安の祈り」を耳にして、非常に感銘を受けたことを今でも思い出す。それは、駆け出しの医療スタッフが、依存症患者の飲酒をなんとか止めたいと思って、必死で酒の害を伝えたり説得した

          臨床現場におけるパワーをめぐる倫理(白峰クリニック:河西有奈) #心理学と倫理

          連載「わだかまり」と「とらわれ」――過去を振り払う(精神科医:春日武彦) 第9回:自業自得、あるいは不条理な災難

          高級石鹸の話 以前、外来で、ある患者(男性)がわたしに無礼千万なことを言いました。パーソナリティー障害の人物でしたが、患者だから担当医に何を言ってもよろしいというものではない。幻覚妄想があったり、心の余裕をまったく欠くような状況にあったり、自分でコントロールしかねるような感情の昂ぶりによってつい暴言を発してしまったというのなら容認はできますが、そうではない。無礼と分かっていて当方を挑発している。そこにはある種の甘えや、どこまで礼節を踏み外したらわたしが腹を立てるかを見届けよう

          連載「わだかまり」と「とらわれ」――過去を振り払う(精神科医:春日武彦) 第9回:自業自得、あるいは不条理な災難

          構造的不正義とは何か(立命館大学総合心理学部教授:神島裕子) #心理学と倫理

          2023年度の大学入学共通テストの倫理で、心理学者ウォルター・ミシェルのマシュマロ実験を題材とする問題が出されました。ミシェルの実験は、子どもの将来の高学力や経済的成功には、マシュマロをいますぐ食べるのを我慢できるような自制心(セルフ・コントロール)が関係していることを示すものでした。 後続の実験が明らかにしてきたように、そのような成功には子どもの家庭環境も大きくかかわっています。要するに、個人のウェルビーイングについて考える場合には、自制心といった個人の認知的スキルに加え

          構造的不正義とは何か(立命館大学総合心理学部教授:神島裕子) #心理学と倫理

          【特別寄稿】いじめについて改めて考える――いじめによって命を落とす子どもをなくすために(東京経済大学現代法学部教授・弁護士:野村武司) #子どものいじめ被害をなくすために私たちができること

           いじめは理解されているか? いじめに当たるか否かの判断は、いじめられた児童生徒の立場に立って行う――最近では、ずいぶんと浸透してきており、「いじめとは何か」を問うと、たいていの人はこのように答える。他方で、現場に耳を傾けてみると、(いじめと認められないことに対して)「いじめられている側が『傷ついた』と言えばいじめではないか」との主張がなされたり、逆に(この程度でいじめになるのかという思いなどから)「相手がいじめだと言えばいじめになるのか」と疑問が投げかけられたりすることがあ

          【特別寄稿】いじめについて改めて考える――いじめによって命を落とす子どもをなくすために(東京経済大学現代法学部教授・弁護士:野村武司) #子どものいじめ被害をなくすために私たちができること

          ゲーン・ハンレーの味(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第13回

           異国を旅する時、言葉は、通じるに越したことはない。道を訊く時、宿を探す時、食事を注文する時、列車やバスのチケットを買う時。自己紹介をしたり、相手の名前を尋ねたり、こんにちは、ありがとう、さようならと告げたりする時に。  世界中で一番通じる可能性が高い言葉は、たぶん英語なのだろうけれど、中南米の大部分ではスペイン語が幅を効かせているし、話者の人口で考えれば、中国語やヒンディー語も、相当なものだ。  僕の場合、国別の渡航回数ではインドが群を抜いて多いのだが、その大半は北部の辺境

          ゲーン・ハンレーの味(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第13回

          トラウマ&バイオレンス・インフォームドケアの視点~支援の言葉や文化をケアフルなものにするために~(大阪大学大学院:大野美子、国立精神・神経医療研究センター:片山宗紀) #心理学と倫理

           1960年代、ヘロインの使用に苦しむアメリカ人は、新たな治療法の登場に大きな期待を寄せていました。  メサドン維持療法と呼ばれたその画期的な技術は、それまで苦しみに耐えながら断薬するしかなかった人たちに、人道的で、合理的な、新たな選択肢を提供しました。ヘロインと同じ合成オピオイド薬に分類され、長期作用型の薬剤であるメサドンを継続的に経口摂取することにより、オピオイド使用に悩む人たちは何ら問題なく社会生活を営むことができると、1965年の衝撃的な論文で発表されたのです。

          トラウマ&バイオレンス・インフォームドケアの視点~支援の言葉や文化をケアフルなものにするために~(大阪大学大学院:大野美子、国立精神・神経医療研究センター:片山宗紀) #心理学と倫理