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先生,GWTをご存知ですか? 厳選された19のワークで子どもたちの人間関係づくりを。

―書籍の序文をまるっと無料公開シリーズ vol. 6-

金子書房では,『子どもたちの人間関係づくりに役立つ 力を合わせる学校グループワーク・トレーニング』(日本学校グループワーク・トレーニング研究会/編著)を2020年3月に刊行します。
本記事では,長年の研究とその成果を濃縮した本書を紹介します。

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GWTとは?

 GWTとは,「学校グループワーク・トレーニング」の略称です。その名のとおり,学校で用いるグループワークのことを指します。

 ご自身の教室でグループワークを用いる先生方も多いのではないしょうか? グループワークは絶大な効果を持つ一方,運用には難しさがあることも先生方が感じる正直なところではないでしょうか。

 本書では,著者らが行ってきた長年の研究と開発を基に,厳選されたグループワークを紹介していきます。
 運用の難しさも熟知した筆者らによるグループワークはすべて,①「ねらい」をはっきりと明示,②「準備するもの」や「所要時間」をわかりやすく掲載,③準備に手間がかからない④圧迫感のないイラストと写真⑤ふりかえりまでをフォローしやりっぱなしを防ぐ,といった充実の内容になっています。

 このように,グループワークに慣れ親しんだ先生はもちろん,グループワークを実施することに苦手意識がある先生にも使いやすい工夫が凝らされています。

 ただし,本書はただ単に「こうすればうまくいきます」といった内容ではありません。

・なぜグループワークが有効なのか?
・子どもたちにどう関わっていけばよいのか?
・どのように子どもたちが学んでいくのか?

 このような点にも触れています。これは,筆者らが大切にしてきたことでもあり,長年の研究で得られた答えの一つでもあります。

 つまり,本当に子どもたちのためになることに焦点を合わせて書かれた内容といえるのです。長年の研究に基づく確かなグループワークの端々には,筆者らの情熱をも感じていただけるのではないかと思います。

子どもたちの幸せを願う先生にこそ,手に取っていただきたい一冊です。

それでは,「はじめに」を公開です!

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はじめに
―この本を手にされたあなたに―

 日本学校グループワーク・トレーニング(GWT)研究会は,子どもたちが自ら豊かな人間関係を築き,生き生きと生活することの援助促進をめざして,1987年に始まりました。それまでは成人を対象とした実習プログラムしかありませんでした。そこで日本学校グループワーク・トレーニング(GWT)研究会は学校現場で活用できるように、実習実施からその実習で起こったことをふりかえり,一般化につなげるまでを一単位時間(45~50分間)内で収まるさまざまな実習プログラムを開発しました。32年にわたる活動・研究の中で,300近い実習を開発し,70近くを紹介してきました。(『学校グループワーク・トレーニング』,『協力すれば何かが変わる~続学校GWT』,『学校グループワーク・トレーニング3』,『学校グループワーク・トレーニング4』共に,遊戯社,図書文化社から発刊)

 この長年の実績に基づき,本書では,「力を合わせる学校グループワーク・トレーニング(GWT)」に特化して,新財19財を紹介します(わたしたちの研究会では,「実習」,「アクティビティ」のことを,「子どもたちに提供するために開発した大切な財産」という意味で「財」とよんでいます)。

全体のトビラ

 本書では,単なるマニュアルを紹介するのではなく,わたしたちが何を大切にして32年間も研究会を続けてきたのかをお伝えします。わたしたちは学校GWTを実施することで,子どもたち一人ひとりが変容し,その変容する子どもたちの集団が変容して,確実に子どもたちの役に立っているという実感をもっています。そこには,ラボラトリー方式体験学習のさまざまな理論があり,意図をもって実施していますが,それだけではなく,研究会会員一人ひとりの心持ちや在りようがあるのです。

 正解はありません。というよりは,100 人の実施者,100 の集団があれば,100 通りの実施方法があると考えます。できるだけ多くの会員の実感を伴った生の言葉で進めていこうとする試みです。

 本書は,2部構成になっています。

 第1部では,学校GWTで大切にしている考え方を紹介しています。子どもをどう観ているのか,財体験での気づきを日常に生かしていけるために何を心がけ,子どもたちに働きかけていくのか,そのために実施者にどのようなスキルが必要か,など。財をつくるとき,実施するときによりどころとしているラボラトリー方式体験学習のいくつかの理論も紹介します。

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 第2部では,19の新財を紹介しています。進め方にプラスして,今まで言葉にしきれなかった進めるときのポイント(実施中にどのような関わり方をするのか,ふりかえりのときの声かけや働きかけ,まとめでどのような言葉をかけて日常化のきっかけをつくっていくのか,など)を一つ一つの財に関して,ていねいに解説します

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 会員それぞれが実感している学校GWTの有効性や,どのようなことを大切に実施しているのか,といったことをそれぞれの言葉でつづっています。

 最後に,本書の出版,企画及び編集作業にご尽力いただいた金子書房の編集部長井上誠さんと木澤英紀さんに心から感謝の意を表します。

2019年11月 日本学校GWT研究会 会員一同

【目 次】

第1部
 学校グループワーク・トレーニングを支えている理論
 行事と関連させて,学校GWT財を行った実践報告
 わたしにとっての学校GWT
第2部
 学校GWTを実施してみよう!
 塔をつくろう
小学校低学年以上の学校GWT
 おどうぐばこの中は?
 スローガンを探せ!
 高くつみあげよう
 ぼくらは,言葉発見隊
 もりもりでいこう!
小学校中学年以上の学校GWT
 ぜんぶつかえるのかな
 さいごは,どうなる?
 色とり鳥
 なかま分けをしよう
 エコプロダクション設立!!
小学校高学年以上の学校GWT
 いるいる動物園
 いるあるシリーズ
 校長先生,たいへんです!─落とし物報告書─
 人間3Dプリンター
ミニ学校GWT
 ミニ学校GWTとは
 輪になろう
 ペンをまわそう!
 人間知恵の輪

【編著者紹介】
日本学校グループワーク・トレーニング研究会
日本学校グループワーク・トレーニング(GWT)研究会は,1987 年に設立された。
設立当初は,様々な分野で利用されてきたGWTの有効性を認めて,成人を対象とした実習プログラムの開発を行った。
現在では,子どもを対象としたGWTを学校教育の中に取り入れ,個人の成長(成熟)・集団の成長(成熟)・より豊かな人間関係づくりの一助となることを目的とし,発達段階に応じた学校GWT財の研究・開発を行っている。
毎月1回の定例会では,財体験・実践報告・財づくり講習会準備・読書会などを実施している。
また,講習会,財づくり合宿の他に,特別活動・教育相談・人権教育・ジュニアリーダー・シニアリーダー・学校レクリエーションなど,様々な分野への講師派遣も行っている。