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心理学と倫理

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心理学において、臨床では倫理綱領、研究では研究倫理を学び、遵守することが必須とされている。しかし、現実の臨床や研究場面では、倫理をどう守ればよいのか、この場面における倫理とは何か…
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記事一覧

臨床現場におけるパワーをめぐる倫理(白峰クリニック:河西有奈) #心理学と倫理

 これはアルコール依存症の自助グループであるAAのハンドブックに書いてある「平安の祈り」…

構造的不正義とは何か(立命館大学総合心理学部教授:神島裕子) #心理学と倫理

2023年度の大学入学共通テストの倫理で、心理学者ウォルター・ミシェルのマシュマロ実験を題材…

トラウマ&バイオレンス・インフォームドケアの視点~支援の言葉や文化をケアフルなも…

 1960年代、ヘロインの使用に苦しむアメリカ人は、新たな治療法の登場に大きな期待を寄せて…

性的境界侵犯を理解する(東洞院心理療法オフィス/太子道診療所精神神経科:北村隆人…

 本稿では、多重関係の一つであり、その中でも最も深刻な問題である性的境界侵犯――クライ…

心理職のためのアドボカシー入門(東海大学文理融合学部講師:蔵岡智子) #心理学と倫…

「それって,おかしくなぁい?!」 休憩中に同僚のいつもの口グセが聞こえてくる。ゆっくりと…

心理療法とイデオロギー(こども・思春期メンタルクリニック心理士:山崎孝明) #心理…

はじめに 本稿は特集「心理学と倫理」の一部である。だが、「倫理」という語は多義的で、こ…

事前登録を通してQRPsを防止する(宮崎大学教育学部講師:中村大輝) #心理学と倫理

概要近年,p-hackingやHARKingといった問題のある研究実践(Questionable Research Practices, QRPs)によって,研究がゆがめられていることが問題視されています。QRPsの問題の本質は,実証研究における検証の厳しさが不透明であり読者に誤認されることにあります。このような問題への対応策として,研究のデータを収集する前に,詳細な研究計画を透明性が担保された形で登録・公開しておく事前登録(Preregistration)が広がりつつありま

心理職の積極的な倫理、みんなで取り組む倫理:保身的な倫理、個人に閉じた倫理を超え…

2.みんなで取り組む予防的な倫理(1)現在の倫理教育が抱えている3つの課題  私は、職…

心理職の積極的な倫理、みんなで取り組む倫理:保身的な倫理、個人に閉じた倫理を超え…

1.心理支援にとっての倫理の位置づけ 心理職の実践において、倫理はもっとも重要な基盤で…