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心理統計を探検する

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心理統計をめぐる新たな展開を紹介する。基本となりつつあるやや高度な分析手法・モデルのおさらい,議論を引き起こしてきたテーマの解説,慣習となっている実践の批判,哲学的観点からの心理… もっと読む
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記事一覧

ベイズ統計学を利用した仮説の評価(大阪公立大学大学院現代システム科学研究科准教授…

1. ベイズで仮説を評価したい! 「心」というつかみどころのない対象をどうにかして科学的に…

心の数量化と公理的測定論(関西学院大学社会学部教授:清水裕士)#心理統計を探検す…

心を数量化する 心理学では、「心を測る」ということを行います。とはいえ、心はそもそも直…

個人間構造と個人内構造:心理尺度の因子の意味(立正大学心理学部講師:下司忠大) #…

一般に心理尺度を用いて「心」を測定する実践の背景には,心理尺度への項目回答が因子によって…

ベイズ統計学と再現性の危機(テンプル大学統計科学部助教授:マクリン謙一郎) #心理…

はじめに 再現性の危機が心理学を含む諸分野で問題として話題になって久しい。それに伴って…

個人差研究のための心理尺度の有効性―使用目的と内容―(福島県立医科大学助教:三枝…

1. はじめに 現代のパーソナリティ心理学では,パーソナリティを始めとする心理学的構成概念…

概念を捨てよ,システムを見よう:心理ネットワークアプローチへのいざない(東洋大学…

ここ十数年の臨床心理学では,ネットワークモデルという新たな発想の統計モデルを駆使した心理…

身長と体重を心理尺度で測る(専修大学人間科学部教授:小杉考司) #心理統計を探検する

はじめに心理学は人間の心を研究対象にし,調査・実験・観察・面接などを通じて迫っていこうとする学問です。 ひとことで心理学といっても,対象とする領域は非常に広いですが,人間の心を目標にしているという点は共通しています。 人間の心は非常に不確かで,変化しやすく,また,自分で自分のことがわからないということも少なくありませんから,明確な正解が得られないなかで研究していかなければなりません。 そんな中,せめて研究手続きは客観的に,ルールを守って,合理的に研究を積み重ねていこうというこ