連載「わだかまり」と「とらわれ」――過去を振り払う(精神科医:春日武彦) 第4回:執着と優先順位
死ぬのが怖い 昨年、恐怖をテーマにした本を書きました。その中では「死ぬのが怖い」とそれこそノイローゼ状態になっている人たちについても言及しました。
自分がいずれ死ぬと思うともうそれに圧倒されて何も手につかない。気分を変えようとか、何か楽しいことや面白いことで気をまぎらわせようとしても、全然上手くいかない。世の中の人たちが、死を気にせずに日々を営んでいるのが信じられない。もはや自分が変なのか、それとも世間の大多数のほうが変なのか、それすら分からなくなってくる。と、そのように