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【連載】流離人(さすらいびと)のノート

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今までお書きいただいた記事が、常に好評を博していた山本高樹先生の連載が始まります。山本先生が、旅の最中に日記や思いついたことをいつも書き留めている紙のノートからのアイデアで生まれ… もっと読む
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記事一覧

主なきホテル(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第10回

 二日以上の旅に出れば、誰もがほぼ必ず、宿に泊まる。すべての夜を夜行の列車やバス、船、飛…

青き氷河の底へ(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第9回

 昨夜まで降り続いていた雨に、森は、しっとりと濡れていた。  朽ち果てた木々や岩の表面は…

旅をした詩集(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第8回

 どこかへ旅に出る時は、必ず、一冊か二冊、本を持って行く。やっぱり、紙の本がいい。とはい…

辿り着けなかった岬(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第7回

 異国をしばらく旅していると、時に、油断や不注意とは関係なく、どうにも避けようのないトラ…

ハウィーのこと(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第6回

 旅に出て、行く先々で、大勢の人々に出会う。すべての人のことを憶えているわけではないけれ…

死を待つ人々の家(後編)(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第5…

 インド西部の街カルカッタ(現コルカタ)で、カトリックの聖人マザー・テレサが設立したホス…

死を待つ人々の家(前編)(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第4回

 カルカッタという街の名が、コルカタに変わる前の年の、ある夏の朝。  サルベーション・アーミーが運営する安宿の前でYさんと落ち合って、サダル・ストリートから東へと歩いていく。透き通るような朝の日射し。鳥たちの鳴き声がかまびすしい。道路脇にずらりと並ぶ黄色いタクシーの車体を、運転手たちが悠々と洗っている。 「あ、あそこが、マザー・ハウス!」  二十分ほど歩いたところで、Yさんが、行手に現れた建物を指さした。入口にある看板は小さくて、以前ここに来た経験のある彼女に案内されていなか

あの日のエスプレッソ(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第3回

 ハンガリーの首都ブダペストの郊外にある、ハンガロリンク・サーキット。オートバイのロード…

砂漠の街の先生(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第2回

 異国で初めて友達になった人は誰かと訊かれたら、僕は、M先生、と答えると思う。彼にとって…

キャパの本を鞄に入れて(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第1…

 最初の旅のきっかけは、ただただ、逃げ出したかったからだった。  大学も、就職活動も、人…