こころの不調に気付くということ(明治学院大学心理学部教授:西園マーハ文)#こころのSOS
以前、大学病院の精神科に勤務していた頃、毎日、外来には多くの新患の方が訪れ、また多くの方が入院の順番を待っていた。このため、当時は、精神の不調を来たした方は皆、積極的に治療を求めていらっしゃるような気がしていた。
しかし、その後、地域の保健センターでの産後メンタルヘルス業務に関わるようになり、保健師さんが、乳児健診で発見したうつ状態の母親を「どうやって受診させるか」にいかに苦慮しているかを目にするようになった。このような経験を重ねるうちに、人々の精神疾患への向き合い方は