
ブリーフセラピー/家族療法の専門家、吉田克彦先生(合同会社ぜんと代表)による連載記事です。
この連載で紹介するブリーフセラピー/家族療法のコツ(技法)は、カウンセリングに限らず…
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記事一覧

第18回 スケーリングクエスチョン② ~円環的に使う~(吉田克彦:合同会社ぜんと代表) 連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
はじめに 前回、スケーリング・クエスチョンは抽象的な事象を数値化することで、解決に向けた会話を促進する効果があることを紹介しました。その上で、①動機づけの高さ、②差異を明確にする、③自己評価について、④解決への取り組み状況、での使い方を紹介しました。さらに、スケーリング・クエスチョンをすること自体が、解決への変化の途上であることを暗示する効果があることを指摘しました。 スケーリング・クエスチョンで本人の抽象的な事象を数値化することは、個人カウンセリングや職場での1on

第11回 治療的ダブルバインドのコツ③ ~リスク回避をする~(吉田克彦:合同会社ぜんと代表) 連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
はじめに 前回、前々回に続き、治療的ダブルバインドについて解説します。治療的ダブルバインドに基づく介入を提案する難しさについて、1つは「そもそも思いつかない」という「創造性の問題」。もう1つは「現実性の問題」があります。そして、前回の連載では、創造性の問題を克服する方法の一つとして普段からポジティブ・リフレームを考えることが大事だということを、事例を交えて紹介しました。 今回は、もう1つの「現実性の問題」です。「ダブルバインドはある程度見立てることができた。介入として治療