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記事一覧
【第三回】こころの専門家は必読!2022年4月からの改正個人情報保護法に対応できてますか?(三浦光太郎:弁護士・Ami代表)連載:メンタルヘルスと法律
1.はじめに 皆さんはホームページでプライバシーポリシーを公開しているでしょうか?プライバシーポリシーを公開している方であればご存じかもしれませんが、2020年に改正された個人情報保護法(以下「改正個人情報保護法」といいます。)が2022年4月に施行されますので、それに併せて様々な対応が必要になります。今回の記事は、改正個人情報保護法の施行に伴う対応として必要になるプライバシーポリシーの改訂につい
もっとみるバター茶の味について思い巡らすこと(著述家・編集者・写真家:山本高樹)#自己と他者 異なる価値観への想像力
チベット文化圏で幅広く飲まれている飲み物の一つに、バター茶がある。チベット本土ではスーチャ、インド北部のラダックではグルグル・チャなどと呼ばれている。
いつ頃からチベットでバター茶が飲まれるようになったのか、その始まりは定かではない。11世紀頃、インドの高僧アティシャが西チベットのグゲ王国を訪れた際に、王から献上されたバター茶を飲んだところ、長旅で消耗していた体力と気力がみるみるうちに回復し
親子の関係性における「自己と他者」:情緒的利用可能性の大切さ(東京大学教授:遠藤利彦)#自己と他者 異なる価値観への想像力
行き過ぎた「敏感性」の危うさ 従来、発達心理学の領域では、子どもの健全な心の発達を支え促す養育者側の要件として「敏感性」の重要性が強調されてきました。平たく言えば、敏感性とは、養育者が子どもの心身の状態および表情や発声といったシグナルを的確に読み取り、素早く応答してあげることを指して言います。そして、現にこれまでの多くの実証研究において、養育者の敏感性の高さが、概して、子どもとの安定した関係性の構
もっとみる【第2回】カラス侵入禁止の貼り紙は効果があるのか?(相互作用とは)(吉田克彦:合同会社ぜんと代表)連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
ブリーフセラピーに関する連載の2回目です。前回は、ブリーフセラピーというのは特別なものではなく、日常にあふれているものであり、先人たちの工夫の積み重ねであるとお伝えしました。そして「ブリーフセラピーらしさ」として、①犯人探しや原因追及をしない、②禁止ではなく、新たな行動を提案する、③相手の変化を促すために、先にこちらが変化する、④大げさな準備よりも、できるだけ小さく試みる、という4つを紹介しまし
もっとみるコーダという子どもたちのこと:きこえない親をもつきこえる子ども(中津真美:東京大学バリアフリー支援室特任助教)#自己と他者 異なる価値観への想像力
「コーダ」という言葉をご存じでしょうか きこえない親をもつきこえる子どものことを「コーダ」(Children of deaf adult/s:CODA)と呼ぶことがあります。両親ともきこえなくても、どちらか一方の親だけがきこえなくても、また、親のきこえの程度や、親がろう者であるか難聴者であるかにも関わらず、きこえる子どもは皆コーダと定義されます(CODA International)。ここでもまた
もっとみる【第2回】韓国の修能(大学修学能力試験)不正防止対策について 連載:大学入試における不正行為の未然防止について考える
はじめに 第一回目の中国の大学入試に続き今回は、韓国の大学修学能力試験(略称:修能)における不正防止対策について紹介する。
1. 韓国の大学修学能力試験 韓国では、毎年11月中旬の木曜日に日本の大学入学共通テストに当たる「大学修学能力試験」、通称「修能」(以下、修能)が実施される。前回紹介した中国の場合は一貫して高考の成績のみでほとんどの受験者の進学状況が決められる。一方、韓国では,大学入試改革