「こころ」のための専門メディア 金子書房
記事一覧
【第6回】ダブルバインドを面接でどう使うか~多量服薬から過呼吸になった女子高生の事例から①~(吉田克彦:合同会社ぜんと代表)連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
前回はブリーフセラピーにおける代表的な技法であるダブルバインド(二重拘束)について、定義を紹介し、よくある事例として、家庭内のダブルバインドや社会でのダブルバインドなどを紹介しました。その上で、人それぞれに考え方が異なる以上、ダブルバインド状況になるのは避けては通れないことであり、ダブルバインド状況が身近であると意識することが大事だとお伝えいたしました。
今回は、ダブルバインドを実際にどのよ
いじめにおける自己と他者(山梨大学教育学部教授:若本純子) #自己と他者 異なる価値観への想像力
はじめに 私は,いじめにおける自己と他者は入れ子状の関係にあり,そのありようを最も端的に体現しているのは「傍観者」である,と考えています。昨今は,いじめ対策でも,被害者の苦痛を共感的に捉え,傍観者を仲裁者に変えていこうという指針が示され始めています。しかし,エビデンスに基づくと,いじめを傍観する「自己」が重視している「他者」は,被害者ではないようです。
傍観者とは,級友から見られている自己 われ
異なる価値観の人との対話のために(東京学芸大学教育学部教授:松尾直博) #自己と他者 異なる価値観への想像力
人の気持ちを慮る力は弱くなっているのか? 「今の子どもは自分勝手だ」「自己中心的な子どもが増えた」という意見を聞いた時、皆さんはどう思うでしょうか。また、「今の大人は自分勝手だ」「自己中心的な大人が増えた」という意見を聞いた時、皆さんはどう思うでしょうか。「そうそう、そうだよね」と思う人もいれば、「いや、そんなことはないよ」と思う人もいるでしょう。
『児童心理』(金子書房)の1969年12月号
ASD当事者の間にある多様性を語ることの難しさ(ASD当事者:高森明)#自己と他者 異なる価値観への想像力
はじめに ASD(自閉症スペクトラム)当事者である筆者が示したいことは、ASD当事者がASD当事者同士の間にある多様性と異なる価値観に対して想像力を持つことの難しさである。
筆者は10年ほど前まで、主に自らの経験を土台にして多様な存在の一つであるASD当事者について積極的に情報発信を行ってきた。しかし、その方法ではASD当事者の間にある多様性を説明することはとてもじゃないができないと考え、自己語
【第5回】ダブルバインド入門:ダブルバインドは身近にある(吉田克彦:合同会社ぜんと代表)連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
前回は東日本大震災被災地での成人した息子からのDVに悩んでいる母親の事例を紹介しました。そして、最後に治療的ダブルバインドについて少し触れさせていただきました。今回からブリーフセラピーの要ともいえるダブルバインドと治療的ダブルバインドについて考えていきたいと思います。
ダブルバインドを制する者がブリーフセラピーを制する もともと、ダブルバインドはベイトソンらによる統合失調症患者とその家族のコミ
【動画】心理学の卒論/修論を完成させよう!―早稲田大学教授とオークランド大学教授が教える書き上げのコツ!
卒論/修論で悩んでいる皆さんへ卒業論文/修士論文を書かなければならないけれど、実際にどうしたらいいか悩んでいる学生は多いのではないでしょうか。
(※以下では卒論、修論とそれぞれ略します)
この記事では、そんな学生のみなさんに向けて執筆する上でのヒントになるようなワークを小塩真司先生と宅香菜子先生とが動画で提供します。
(金子書房から出版している『心理学の卒業研究ワークブック』をもとにしています