「こころ」のための専門メディア 金子書房
記事一覧
交流分析理論からみた対人関係の葛藤(中央心理研究所所長:中村延江)#葛藤するということ
はじめに コロナ禍で人と関わることが極端に減り、対人関係における葛藤の量も中身も以前とはかなり変わりつつあります。それでも、身近な人との関わりの中では様々な葛藤を経験するものです。対人関係の葛藤とは、具体的にどのようなことでしょうか。
例えば、家族間でコロナ禍での意識や対応の仕方について考え方に違いがある場合をあげてみます。30代の主婦は子どもへの感染が怖いので手指の消毒などにとても気をつけて
第22回 メールカウンセリングでブリーフセラピーを実践する① ~メールをどう活用してきたか~(吉田克彦:合同会社ぜんと代表) 連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
ブリーフセラピーとメール 本連載で繰り返し強調してきたように、ブリーフセラピーは、相互作用を扱います。その中でも、言葉ではなく、非言語コミュニケーションを重視しますし、即座の反応を見ることがほとんどです。したがって、「メールやSNSはブリーフセラピーのツールとして向いていないのではないか」と疑問に持つ方もいらっしゃるでしょう。
また、ブリーフセラピーに限らず、メールでのカウンセリングを苦手に感
これで安心! 怪しい心理学記事に騙されないための5つのポイント(慶應義塾大学ほか非常勤講師:鳥山理恵) #その心理学ホント?
慶応義塾大学で「騙されないための英語論文講読特訓」を担当するようになって3年目になります。2019年までは普通の英文講読の授業を行っていました。よくある、毎回の発表担当者を決め、論文の内容をレジュメにまとめてきてもらうような演習です。しかし毎回の授業では発表者以外は盛り上がりに欠けることも多く、また、機械翻訳の技術の進歩もあり、そのような形式の授業を続けることに限界を感じていました。そのような折、
もっとみる「血液型性格関連説」を通して心理学を考える(立正大学心理学部講師:下司忠大) #その心理学ホント?
いつ頃からそのような話を聞いていたのか覚えていないのですが,ABO式血液型から性格を見抜くことができるという都市伝説のような話は子どもの頃から何となく知っていましたし,そう信じていたこともあります。血液型と性格に関するテーマは世間一般で話題にのぼりやすく,古くから現在に至るまで,血液型と性格に関する書籍・一般向け雑誌が発売され続け,ときには一種のブームと化すこともあります (佐藤・渡邊, 199
もっとみる第21回 家族へのアプローチ② ~不登校児の母親との継続面接~(吉田克彦:合同会社ぜんと代表) 連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
前回のおさらい ブリーフセラピーの実際の面接の様子ついて事例を元に紹介しています。前回(第20回)は、登校の小4男児(IP)に関する母親(Cl)への初回面接の様子をお伝えしました。
父親は仕事中心で子育てには非協力的……かと思うと、突然暴力的な行動で子どもを刺激する。そのため、子どもは父親を怖がってしまい、さらに父親と子どもの関係が悪化する。同居する姑は「嫁(Cl)の育て方が悪いから孫が不
巷にあふれる恋愛心理学を検討する:マッチングアプリ篇(東京未来大学モチベーション行動科学部特任講師:仲嶺真) #その心理学ホント?
現在、マッチングアプリの利用が広がっています(三菱UFJリサーチ&コンサルティング, 2021)。マッチングアプリとは恋愛や結婚等を目的とした会員同士をマッチングするサービスで、さまざまなものがあります(一例として、IBJマッチングアプリ研究室)。中には、心理尺度(心理テスト)を用いた相性分析を行なっているものもあります。心理尺度とは、性格や態度などの「心」を測定するために一定の手続きを経て作成さ
もっとみる