「こころ」のための専門メディア 金子書房
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子どもの片耳難聴とコミュニケーション(群馬パース大学リハビリテーション学部言語聴覚学科:岡野由実) リレー連載:子どものことばとコミュニケーションを支援する
はじめに 私が言語聴覚士を目指した最初のきっかけは、中学生のときに自身の左耳が聞こえなくなったことでした。当時は言語聴覚士という職業があることは知りませんでしたが、様々な出会いを経て、言語聴覚士になることができました。資格取得後は地域の療育センターで様々なニーズのあるお子さんと関わることができ、言語聴覚士としてとても貴重な経験をすることができました。
この記事では「子どもの片耳難聴とコミュニケ
大災害時におけるこころのSOSにどう応えるか(上智大学名誉教授/多文化共生社会研究所特任所長:久田満)#こころのSOS
災害は忘れたころに突然 2024年元旦。例年のように日本全国の家庭では「おめでとう」のあいさつが交わされていただろう。おせちをつつき一杯やっていた人もいただろう。テレビの正月特番を眺めながら、お雑煮を頬張っていた人もいたに違いない。石川県能登地方でも、里帰りしてきた子や孫、ひ孫に囲まれて、頬を崩していたおじいちゃんやおばあちゃんがたくさんいた。そのようなありふれたお正月の光景が一瞬にして激変した。
もっとみる辿り着けなかった岬(著述家・編集者・写真家:山本高樹) #流離人のノート 第7回
異国をしばらく旅していると、時に、油断や不注意とは関係なく、どうにも避けようのないトラブルに遭遇することがある。
中国の上海からトルコのイスタンブールまで、アジアを半年ほどかけて横断する旅をしていた時。パキスタンのクエッタという街の食堂で、一人の日本人男性に出会った。その時、僕はイラン方面に向かう夜行バスの出発を待っていたのだが、その男性は僕とは逆に、イランからパキスタンに移動してきて、ここか
連載:作文で変わる不登校の子どもたち~書くことで自己と対話する【第4回】作文による自己対話がもたらすもの(教育支援センター(適応指導教室)教育相談員・スクールカウンセラー:林千恵子)
教育支援センター(適応指導教室)で不登校支援を始めた当初、高校で再び不登校となり、退学してしまう卒業生の多さにショックを受けました。教育支援センターでは元気に活躍していた子どもたちです。高校を退学した理由も、中学校を不登校になった時と同じようなものでした。その子にとっての課題は解決されていなかったのだと痛感したものです。
「学びとケアの中間としての作文支援」に力を入れるようになって、子どもたち
私たち一人ひとりにできること(駒澤大学心理学科教授:藤田博康) 連載:「多方向への肩入れ」の心理学〜家族の苦しみと回復 第5回
前回は、「多方向への肩入れ」や「対話」による関係回復のプロセスの社会的な意義や可能性とともに、その限界についてもお話ししました。特に、「業」が深い家族や、ひどく拗れた関係において、「対話」による関係修復は専門家とて困難であることを、あえてお伝えしました。
この連載の最終回である今回は、そんな八方塞がりで絶望的な状況で、いったいどうしたら希望の光が見えてくるのかについて、私が思うことをお話しし