高齢社会における孤独に向き合う(渡辺医院院長:渡辺俊之) #孤独の理解
不眠症で私の外来に通っていた70代女性がいました。息子を半年前に腎不全で亡くし一人暮らしになり、眠れなくなったのです。多忙な大学病院、睡眠導入剤だけ出して世間話ししただけの5分程度の外来でしたが、彼女の不眠は改善し薬もいらなくなりました。「もう大丈夫です。これで診療は終了にしましょう」と言うと、予想外の反応が返ってきました。俯いて「先生と離れたら一人になってしまう」と涙を流したのです。私はハッと思いました。彼女の眼前にいる私は「息子」でもあったのです。
日本では65歳以