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異なる価値観:自己否定を打ち崩す出会い(兵庫教育大学大学院教授:中間玲子先生)#自己と他者 異なる価値観への想像力
私たちは自分の価値を感じたいと思ってしまう 私たちの心には自分という存在の価値を確認したい気持ちがあります。自分の価値を確認できる経験は積極的に求め、それを否定するような経験には無意識に抵抗する。私たちの心にはこのようなしくみがあるとされます。自分として存在しなければならない人間にとって、その気持ちは前向きに生きるために求めざるを得ないものなのでしょう。
とはいえ、そのような思いがいつも満たさ
【第4回】家族は些細なことで(良くも悪くも)変化する(吉田克彦:合同会社ぜんと代表)連載:家族療法家の臨床ノート―事例で学ぶブリーフセラピー
カウンセラーに限らずだれでもブリーフセラピーが活用できるようにと、前回まで日常的なブリーフセラピー的な場面をご紹介してきました。今回からは、実際のカウンセリング事例を元に、よりブリーフセラピーの考え方について紹介していきたいと思います。カウンセリング事例ではありますが、家族の問題ですので、日常場面でも役立つ内容になっております。考え方は非常にシンプルですので、難しく考えずに読んでいただければ幸い
もっとみる自分の気持ちが分からないときに(龍谷大学教授:内田利広先生) #自己と他者 異なる価値観への想像力
自分が一番よく分からない 「自分のことは自分がよく分かっている」と言われますが、本当にそうでしょうか。実は自分の気持ちや行動は、自分が一番分かっていないということもあります。
男の子がある女の子にいつもちょっかいを出し、からかっては意地悪をしている様子を見て、周りの子は、男の子がその女の子のことを好きなのはよく分かりますが、本人はその気持ちが分からないということがあります。実は、人の心は、他人の
自己と他者-異質な感覚・価値観への橋渡し(聖ウルスラ学院理事長・日本語検定委員会理事長:梶田叡一先生) #自己と他者 異なる価値観への想像力
私の場合、小さな頃から「自分は自分、他の人とは違っている」という感覚を持っていた。自分が好きなものを他の人は好きでないことがある、他の人が面白がってやっていることが私には面白くないことがある、などといった違いである。
自分と他の人とは違っているという感覚は、それぞれが独立した個体として生きていることから言って、当然至極のことと言っていい。自分の体験したこと、実感し納得していること、これは自分
「夢という眠りの中の自分と他者」(東洋大学社会学部社会心理学科・教授:松田英子) #自己と他者 異なる価値観への想像力
「夢という眠りの中の自分と他者」 あなたは昨晩みた夢を覚えていますか
皆さんは毎晩みる夢を覚えていますか?ここ数年夢なんてみていないよという方もいらっしゃるでしょう。一方で、毎日のように夢をみるという方や、一晩に2個も3個も夢をみているという方もいます。時には夢が現実に起きたことのように生々しすぎて、目覚めたとき眠っていないかのように疲れているという経験がおありの方もおられるでしょう。
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子どもや若者が「地域」という他者に出会うとき:地域交流活動から見えてきたこと(和光大学教授:菅野 恵) #自己と他者 異なる価値観への想像力
地域での他者との出会いは、多様性を知る絶好の機会 コロナ禍の長期化で、多くの大学は今までに経験したことのないオンライン授業を導入せざるをえなくなり、学生生活は急変しました。大学教員の立場では、授業動画の録画に追われながら、コロナ対策の会議メンバーとしてリモート会議に出席し、難しい決断を迫られ疲弊する日々でした。怒涛の日々でしたが、コロナ以前からルーティーン化していた毎朝のウォーキングに加え、地域で
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